ワンコ・ストリートを行く

 毛虫が出始めたようだ。ルーシーは、ニオイ嗅ぎや雑草あさりで草むらに頭を突っ込んでしまう。体に毛虫が付いても、こっちは手を触れることができない。念のため長袖のジャケットと手袋を着用することにしたのだが、きゃつらは毛を飛ばすらしい。アレルギーのある人は、毛が目に入ると眼球にも湿疹が出るらしいよ。
コワ〜!!
ゴーグルとマスクも必要かな?そんな格好で歩いていたら、絶対通報されると思うけど。
 今朝はS田谷へ行き、いつもの帰り道をたどる。ここには、いくつか屋外でワンコを飼っていて、近くを通ると、かなりの確率で吠えられる。大体あちらは自分の家を守るのがお仕事なんだし、こっちは吠えられたって文句は言えない。ところが、ルーシーは吠えられるのが大嫌いで応戦しようとするから始末が悪い。「何事も勉強」とフードを使って吠えないシェイピングをしてきた。
 あちらが吠え出す前に、ルーシーに「言わないよ」と注意を与える。あちらが吠えだしてもルーシーがガマンしていたら、褒めながら相手を行き過ぎる。少し離れてから、立ち止まって、さらに褒めてフードを与える。吠えられて、ルーシーがブルブルッと体を震わせたら褒めちぎる。相手をガン見している間、一瞬でもこちらに視線を送ったら褒めちぎる。傍から見たら、絶対に「アホか」と思われるだろうなぁ。
 「なんで、わざわざ他のワンコに吠えられるルートを歩くかなぁ?」と思われる方もおられるだろう。確かに、吠えられないルートを選んで歩くのも一つの考え方だと思う。
 実は、我が家のすぐ近所に同じようなワンコ・ストリートがあり、通る度に双方向から吠えられる。逆ギレ女のルーシーは、売られたケンカを買わずにいられない。その上、年齢を重ねるにつれて、応戦どころか先制攻撃をしかけようとするようになった。子犬の頃は尻尾を巻いて逃げていた。ところが今では相手の姿が見えない時点から、相手の元に突進する。飛びつくようなマネをして、相手を挑発することもある。車が通れば危険だし、なんと言ってもご近所迷惑だ。
 始めは「言わないよ」とあらかじめ注意して、ルーシーがこれを無視したら叱っていた。しかし、これは全く効果がなかった。吠えてはいけないことは分かっていても、相手に文句を言いたい、反撃したいという衝動まで抑えられなかったのだろう。ダメモトでシェイピングに切り替えたところ、かなりの確率で止めるようになってきた――ご近所以外では(笑)。
ちなみに、先日Kさんのタービュレン3匹とご近所を一緒に歩いたところ、このワンコ・ストリートは、水を打ったように静かでした。ワンコも相手を見て吠えているらしい(笑)。
 という訳で、S田谷のワンコ・ストリートは、そんなシェイピング演習スポットの一つである。申し訳ないけれど、ここのワンちゃん達にルーシーの演習に協力してもらっているワケ。フードを握りしめてルーシーに注意を与えながら通りに入ったところ、その中の強力な協力者である一匹、柴犬が見あたらない。アレ?
 見ると、玄関に見慣れぬ札↓が・・・。

 もしかして私らのせいで、ご近所から苦情が出たんだろうか?そうだったら申し訳ないなぁ。ゴメンネ、ぽち。