股関節の日

 ボー飼いの多くが係っているというお医者さんへ。近頃、ルーシーの体力が低下したような印象を受け、これが老化のせいなのか、他の原因なのかが分かったらということである。他の原因の第一は、股関節形成不全の悪化で痛みを感じているからなのではないか。という訳で、外科の専門医に診てもらうことに。
 長距離ドライブとあって、ルンルン気分で出かけたルーシー。待合室に入るとアップアップになり、ヘラヘラ笑い出した。


 診察では、まず飼い主と一緒に歩く様子を診る。次に触診。そしてレントゲン。
 触診で、先生から「痛がる様子はないですね」。後ろ足を伸ばして「ここまで伸びるということは痛みはないと思います」。ただし「(他と比べて)二頭筋が薄いなぁ」とコメント。十分運動させているつもりでも、正常な部分に比べて、弱い部分の筋肉の付き方は少ない。

 レントゲンを見て「この子は形成不全といっても、ごくごく軽度ですね。」「異常が全くないとは言えないけれど、普段の生活に問題が出ることはないでしょう」ルーシーの場合、右側の角度が規定よりも3度少ない。掛かり付けの先生からも「グレイゾーン」と診断されている。「だから股関節が原因で体力が低下する、運動しなくなるということは考えにくいです」

 まず青の矢印の部分。大腿骨と骨盤の接点あたり。大腿骨の骨頭(2こぶラクダのコブの山の部分)には、変形が見られない。また、これを受ける骨盤にも傷らしきものや突起のようなものも見られないという。少しホッとする。
 しかし「画像で見て問題がなくても、本当に問題がないとはいえない」と先生。一番重要なのは、骨自体ではなく、大腿骨を骨盤のくぼみに押し込む力の方が重要なのだそうだ。そして骨の形成不全かどうかが遺伝に左右されるだけでなく、押し込む力が強いかどうかも遺伝によるところが大きいとか。現在、良心的なブリーダーは、画像でExcellentと診断された子を交配させて、遺伝的な問題をクリアしようとしているけれども、専門医の目から見れば、それだけでは遺伝による股関節形成不全をクリアしたとはいえないのだとか。ちなみに大腿骨を骨盤のくぼみに押し込む力を確認するテストはあるけれど、かなり専門的であり、まだ一般的ではないようだ。
 次にピンクの矢印の部分。先生は「この子はウェストがないなぁ」大腿骨の先端を2こぶラクダのコブとするならば、2つのコブの間のくびれ。くびれが少ないということは、大腿骨が中でぐらついて骨膜に当たっているということ。
 ルーシーをベッグさせると、やはりぐらつくことが多い。それは、大腿骨自体がぐらついているせいもあるが、二頭筋が薄いために補強されていないということを意味する。やはり二頭筋を強化する必要がありそうだ。

 「股関節ばかり気にしておられるかもしれないけど、むしろ十字靱帯の方にもっと注意して欲しいですね」と先生。ルーシーの膝関節の画像を見る限り、靱帯を傷めやすい形状なのだという。靱帯も骨膜も傷がついたら、自然に治ることはないそうだ。特にボーダーコリーは、急な方向転換などでも十字靱帯を傷めるケースが多いらしい。
 ちなみに十字靱帯の負傷を防ぐ上で、ストレッチが効果があると言われた。ディスクなどの運動の前には、ストレッチとウォーミングアップ。運動が激しい場合には、使いすぎた部分の温度は50℃にも達するそうだから、アイシングをしてクールダウンさせる。マッサージを施すのも有効だとか。

 念のため背中の方も撮影。骨格面での問題はないとのこと。
 結局、本来の目的である体力低下の原因は分からなかった。通常老化が始まるのは6〜8歳くらいからなので、4歳というのは早すぎるように思える。「それでも個体差がありますからねぇ」と先生。「股関節や靱帯の問題ではなくて、心臓疾患やバベシアなんかも考えられますから。掛かり付けの先生に、よく相談してみて下さい。」

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 緊張して疲れたので、昼食のために東大阪まで足を延ばす。ドッグカフェというより、テラス席は犬連れOKという感じ。

地元野菜を使ったカレーとパスタをいただく。レモンソーダは、ソーダ水とレモン果汁と甘味料が別々に出されるところがユニーク。
 すぐそばの枚岡公園へ。公園内にはいくつか山があり、ずーっと先は生駒山。昼過ぎの時間でも次々ハイカーがやってくる。ハイキングコースがたくさんあり、だんだら坂続きの比較的楽なコースを選んでもらったはずなんだけど、かなり(あ)にはきつかった。きつかったのはルーシーも同じ。「もう動けましぇん」と何回も座り込む。二頭筋を鍛えなきゃダメじゃんか!
 予想以上に気温が上がり、傾斜が厳しかったので、かなり省略して駐車場へ向かう。途端にルーシーは「行くよ〜」と振り返る余裕まで出てきた。なんだかなぁ〜。