掃除機2

 2年前に購入した掃除機は、英国系某メーカーD社のもの。これを家電量販店で購入した時、すでに同社の最新モデルではなかった。それでも割引率は非常に低く、日本のメーカー製の最新モデルに比べて2万円ほど高かった。それでも(あ)が購入に踏み切ったのは、その時に使っていた掃除機では、絨毯に絡むルーシーのアンダーコートがとれないこと、そしてメーカーの5年間保証があったからだ。
 購入して数ヶ月は快調だった。透明なゴミ収集カップに、どんどんゴミが貯まる。そのうち掃除機のクリーナーヘッドのブラシが回らなくなった。ちなみにクリーナーヘッドというのは、床面に当ててゴミを吸い込む部分。これにホースが付いて本体に接続されている。
 クリーナーヘッドのブラシは、ルーシーのトップコートが5本くらい巻き付いたら動かなくなる。使用後には必ずチェックして取り除いていたのだけれど、酷使するうちにブラシは一瞬回っても直ぐ止まってしまうようになった。しかたがないので、お客様相談室に連絡する。
 担当者は、機械オンチをバカにすることなく話を聞いてくれた。そして、直ぐに新しいクリーナーヘッドを送ってくれた。
 新しいクリーナーヘッドを付けて快適に掃除をしていたところ、4月のある日、量販店とメーカーから手紙が届いた。ホースに不具合が発覚したので、急ぎメーカーまで連絡して欲しいという。こちらは同型の掃除機を使用していて、この時点では全く問題がなかった。メーカーの担当者によれば、この型の掃除機を1.5キロほど走らせて掃除したところ、ホースの中のワイヤーが露出して火事が起こる可能性があることが分かったそうだ。
 狭い我が家で毎日掃除して、走行距離が1.5キロになるのは一体いつのことだか分からないが、担当者は「現在支障がなくても不具合が発生する可能性はありますから、ホースを交換させていただきます」「一部ドライバーを使って取り付けていただくところがありますけれど、説明書も入れておきますので」
 直ぐに新しいホースは到着したが、使用中のホースをそのまま使っていた。メンドクサイので段ボールを開けることなかった。すると先週になって、またクリーナーヘッドのブラシが動かなくなった。
 今週先方に連絡した。日本製の掃除機も使っているが、数ヶ月という単位で問題が出ることはなかった。それに前回クリーナーヘッドを交換して以来、(あ)は掃除機をかける前にフロアモップであらかじめルーシーの抜け毛やゴミをとるようにしている。掃除機に負担をかけない方法だと聞いたからだ。それなのに、また壊れるとは。(あ)の使い方に他の問題があるのか?
 担当者は「いえいえ、そんなことはないと思います。これで2回目ということは、本体に問題がある可能性も考えられます。よろしければ、全部を交換させていただきましょうか?」
 購入してまだ2年を経過していないのに、クリーナーヘッド2個、ホース1本、全体1セットを交換しようというのか?どういうこっちゃ?
 すでに新しいホースはあるので、これをまず取り付けてみることにして、とりあえずクリーナーヘッドを送ってもらうことに。それでダメだったら、本体ごと交換してもらうことにした。
 日本製に比べて2万円ほど高いことについて、量販店の担当者は「メーカー側が技術に相当自信があり、量販店や顧客の値下げ要求に応じないから」と言っていた。(あ)は、この掃除機に特許が絡んでいるからと思っていたけれど、どうやらそうじゃない気がしてきた。
 とんでもない頻度で交換やらリコールやら返品に対応せざるを得ないため、コストをカバーするには、2万円ほど高く設定しないと回らないのかも。謳い文句は「世界一吸引率の落ちない掃除機」だけれど、「世界一原価率の落ちない掃除機」のマチガイ?ダイ○ンじゃなくて「大損」?