プロップ

 前々回の授業で、A先生からプロップ(小道具)を使ってはどうかと提案された。ドッグダンスのプロップは、人間の新体操の手具と違って種類が決まっている訳ではない。元よりステッキや帽子、バスケット(これもプロップかな?それとも小型犬が多いから大道具かな?)などが主流だけど、Y先生はマフラーを使っていたし、もこ治君は超小型ヌンチャク(あれもパパさんの手作り?)を使っている。
 以前から、A先生をはじめ、複数の先生から「(あ)はハンドシグナルに頼りすぎで、ダンスが田植えみたいになる」と言われてきた。だから、A先生も(あ)がプロップを手にしたら、田植え踊りから脱却できるのではないかと考えられたのだろう。
 一方(あ)はルーティンを覚え、音楽とルーシーのタイミングに合わせて指示を出して、褒めるだけで精一杯なのだ。この上、プロップの取り扱いを加えることは不可能に近い。ルーシーにしたって承服できないだろう。だって、片手がプロップでふさがってしまえば、ご褒美の量が両手から片手へ、つまり半分になるんだもの(笑)。
 それに、一旦プロップを導入したら、ルーティンが終わるまで使い続けないとダメじゃないかな?と思う。構成の中で単発に、特定の技だけにプロップを使うというのは、わざわざ導入する意味がないからだ。つまり、同じプロップを使う技を複数完成させて、立て続けでないにしろ構成に盛り込まないといけない。よしんば複数の技を完成させたとしても、プロップを導入することで構成が縛られることになる。失敗した時に、アドリブで逃げることはできない。犬の状態を見ながら、音楽を聴きながら、指示を出しながら、褒めながら、手具を扱う。頭の中を5分割にして、フル回転させないといけない。ボケ防止の域を超えているではないか。逆立ちしても(あ)にはムリだと思う。
 ちなみに(あ)が密かに「プロップ使いの名人」と思っている人がいる。Karen SykesさんとKes君のペアだ、ルーティン中に、これでもかとばかりに、プロップを使う技を連発する。Cruftsのファイナリストだから雲の上の人達だけど(笑)。いくつか動画を見つけたので紹介したい。元より、この方の作るダンスはすごくチャーミングで(あ)好み(爆)。時間がありましたら見て下さい。


グラスとお盆とナプキンを使ったルーティン↓

ギャルソン二人のやりとりが微笑ましい。こんなレストランがあったら行ってみたい(笑)。

ロープを使ったルーティン↓

ロープを使って自転車を表現しようと思う想像力が素晴らしいと思う。

イスと帽子を使ったルーティン↓

リングの中にイスを2脚も置いたら、どうしてもそこばかり使うように思っちゃうけど、リングを大きく使っているのがスゴイ。イスを動かしながらの技という発想の転換も素晴らしい。すごく音楽に合った構成に驚いた。

ちなみに今年もCruftsは3月中旬に行われ、Karen Sykesさんもファイナリストに入っておられるらしい。また、楽しいダンスを見せてくれることだろう。