ヒマは敵だ

 昨日の夕方は動物病院へ。雨が止んだのを見計らって歩いて行く。病院は意外なほど混雑していた。フィラリアの薬や狂犬病の注射を求める患畜が多かった。
 今回病院に行ったのは、ルーシーのポウの毛が茶色く変色してきたからだ。実は、こういう事は初めてではない。毎年、梅雨の時期は肉球の間の毛が変色する。足を口に突っ込んでクチュクチュ噛むからだ。従来から、フローリングで滑らないようにするため肉球の毛をできるだけ短くしている。できるだけ、足を洗い流して乾いたタオルで拭くようにしている。それでも、クチュクチュのおかげで肉球の間の毛は湿ってしまい、白かった毛がサーモンピンクから赤銅色へと変色する。雨が続くと、湿度とクチュクチュの頻度が上がるため、変色し易くなる。
 すべては運動不足が原因だと分かっている。だけど晴れた日のような長時間の散歩はできない。体が疲れていないから昼寝も短い。起きている時間が長いと、やることがないからクチュクチュしてしまう。悪循環なのだ。
 今年の春は雨が多く、この現象が起こるのが早すぎた。このまま梅雨に突入したら、皮膚まで異常を起こすのではないだろうか?
 これまでは、シャカリキになって菌を除去するように努めてきた。菌の住処を作らせないように、肉球の間の毛を刈り込んだ(先日は、やりすぎで血が出てしまった)。時にはシャンプーで洗い流し、時にはアルコールで消毒して、毎回タオルで湿気を取ってきたけれど、これ以上に変色を止める手だてが思いつかない。
 イジリ過ぎるからクチュクチュするのかもしれないけれど。エリザベスを着用させた上で消毒作業をして、徹底的に雑菌を殺さないといけないだろうか?
 クチュクチュがイカンと思って、足を口に入れた瞬間に注意して止めさせたりもしたけどラチがあかない。
 クチュクチュは痒いからか?アレルギー症状なのか?これまでルーシーにアレルギーは認められなかったけれど、後天的にアレルギーになることは考えられる。獣医さんに相談してみることに。
 獣医さんは、体のいくつかの箇所を見た上で、一番変色している肉球にセロハンテープを張って、それを顕微鏡で覗いて確認してくれた。

「まず、アレルギーの可能性は低いです。アレルギーで毛が変色する場合には、複数の箇所で発生することが多いです。ルーシーの場合、左の後ろ足が一番変色していて、その他の部分はキレイです。耳も口回りも目の回りにも異常がないです。また、特に痒がっている部分がないようですしね。」
「毛が変色するのは、唾液に含まれる色素が毛に付着するからです。必ずしも悪い雑菌が繁殖しているからではありません。」
「マラセチア菌は、犬の体に棲んで共存する菌です。必ずしも悪い菌ではありませんが、皮膚が爛れるなどの場合には大量発生します。ルーシーの皮膚には全く異常はありませんから、今の段階で処置する必要はないでしょう。」
「仰るとおり、イジリ過ぎるから足を口に入れるのかもしれません。でも、口に入れたからといって叱ってはいけません。『あっ』とか言ったらダメですよ。人がいない時や隠れたところでやりますから。口に入れそうな素振りを見せたら、呼びつけて気を逸らしてください。」
「今の段階では、肉球をあまりさわらないように。少々毛が伸びても良いです。カットは、はみ出ない程度の長さに揃えるだけに留めて、洗うのも乾いたタオルで拭くくらいにしてください。それで1ヶ月ほど様子を見て下さい。」
「足を舐め続けていたら1日でも肉球の皮膚は真っ赤になります。そうなったら皮膚に異常をきたしているので、1ヶ月を待たずに、そうなった時にまた見せて下さい。」


・・・やれやれ。やっぱり「ヒマだから」かよ。5歳になっても貧乏性なヤツ(苦笑)。
 しかし、このヒマという敵。決してあなどれない。ルーシーの場合は、ストレス行動につながる可能性が高い。なんとか対策を考えないと。