ドッグショーって?

 以下は、ワシント○ポスト紙掲載記事の要約である。
 米国ケンネルクラブ(AKC)が、先頃、純血種以外の犬に対して、ドッグショー参加を認めた。AKCは「純血種犬の研究・ブリーディング・出典・維持」を掲げ、125年もの歴史を誇る組織である。その組織が、純血種の各犬種がチャンピオンの血統を競い合うドッグショーについて、ミックス犬種に門戸を開いた。
 純血種の場合には、出展された犬について、各犬種の規定にどれだけ適合しているかを評価する。ミックスの場合、このような規定がないためコンペに出場することはできない。その代わり、アジリティ、ラリー、オビディエンスの技術に関する競技会について、正式に門戸を開いた。
 AKCの広報担当者によれば、競技会へのミックス犬種の参加を認めるかどうかは大きな論議を呼び、7〜8年もかけて議論されてきたという。ひとつの案では、ミックス犬種は純血種に混じって競うのではなく、別のクラスを作って参加させるというものだった。これに対して、ミックス犬種の飼い主から反発の声が上がり、このようなクラス分けは再検討されることとなった。
 米国内にある犬の登録団体はAKCだけではない。しかしAKCは、最大規模を誇り、最も歴史が長く、また知名度も一番高い。AKCには、別途”Purebred Alternative Listing”というプログラムがあり、純血種と推定される犬で、血統が証明できない場合の登録も行っている。Dog Fan○y誌の編集トップであるスローン氏は「AKCが、より多くの犬や飼い主を取り込もうとしていることを、はっきりと示している」と言う。
 純血種を愛する人達の中には、ミックス犬種に門戸を開くことに疑問を呈する人もいる。中には「ミックスの特性は、純血種のそれより有利なのでは?」と言う人も。掲示板には、自分達の犬の犬種ステータスが下がるのではないかと危惧するメッセージが出されているそうだ。

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 これらの動きの背景には、どうやら空前のミックス・ブームがあるようだ。純血種以外の犬が見直されていることは歓迎したいし、一匹でも多くの保護犬が新しい飼い主のもとで幸せになって欲しいと思う。ただし、最近の動向の根底にあるのがブームというのが少し怖い。「ブームが去った時、犬達はどうなるんだろう?」と思ってしまう。「ミックスだろうが純血種だろうが、ひとつの命だ」という考え方が、社会に定着してくれることを願わずにはいられない。
 その一方で、こういう記事を見ると「ドッグショーって何のためにやるんだろう?」と思う。優れた犬にスポットライトを当てるのなら、ミックスだろうが純血種だろうが関係ないのでは?確かに特定分野で優れた能力を発揮する犬を交配して作ってきた訳だから、純血種のブリーダーにとって、ミックス礼賛は死活問題かもしれない。しかし、純血種よりもミックスの方が遺伝病の問題は少なく、全体的には、より健康であることは周知の事実だ。人間が犬という種を生み出し、これからも犬とともに生きるのであれば、ミックスだろうが純血種だろうが、犬の健康に対する責任を負うべきだと思う。健康だから幸せになれるんだし。だからドッグショーでミックスが脚光を浴びるのは当然じゃないだろうか?AKCも、ミッションを見直すべきだと思うけどなぁ。間違ってるかしら?