新しい本

 注文した本が先日ようやく届いた。海外からの取り寄せになってしまったらしく、手元に届くのに1ヶ月近くかかった。年のせいか目も疲れやすいので、寝床に入って毎日チビチビと読むことにしている(笑)。
 Patti Sherlockという人が書いた”A Dog For All Seasons”という本。カバーがボーダーコリーのアップ写真だったので、購入前に内容が全く分からないのに迷わず注文(爆)。普段の生活で「やれ節約だ、やれエコだ」と言いながら、本に関しては何故かブレーキが利かない。期待しないで読み始めたら、なかなか面白い。思わず読み進んでしまいそうになる。イカン、イカン。
 著者はアイダホで牧場を営む3人の子供を持つ女性。自分自身そして双子の息子は自然の中で育った。新しい夫と出会い3人目の子供を迎える前、一時的に都会に住むことになったけれど、やはり自然が恋しくてアイダホへ。牧場では主に羊を飼い、ボーダーコリーのダンカンが彼女のパートナーだった。
 ダンカン以前にも牧羊犬を飼っていたけれど、全員スクールバスを追いかけたという。著者は犬のことも深く理解していて、自分でトレーニングもしているのだけれど、牧羊犬のハーディング本能をなかなかコントロールできず、全員スクールバスに戦いを挑んでしまう。
 これらの犬は、ハーディングに関しては、特に教えなくても自然にできてしまうような才能の持ち主。ところが車を見ると、本能に火がついて制御不能になり、追いかけてしまう。ある犬は大けがを負い、片足を失ってしまう。牧場を経営しながら、牧羊犬が何匹もこのような不幸な事故に遭い、落胆のあまり、次の犬を飼うことを躊躇していた。
 しかし、牧場の大変な仕事量と商業的価値のある羊毛を市場に出すためには、牧羊犬が必要だと判断。ダンカンを迎えることを決意する。
 ダンカンは、飼い主が思わず笑ってしまうほどサービス精神旺盛な犬だった。子犬の頃に庭でNo.2をすると飼い主が喜んでくれると理解するや、便意もないのに庭に出て構えて見せる。飼い主を喜ばせるための排泄なので、飼い主が見ていないとしない。叱られると、頭やシッポをガックリとうなだれ、失意のあまり体を丸めて「黒白のボールになってしまう」。なんて愛らしいヤツなんだろう。ルーシーとは大違いだ。
 成長とともに、ダンカンは車に反応するようになった。そこで著者は車を追いかけないトレーニングをすることにした。車に出会うことの少ない環境ではトレーニングは難しいので、定期的に車が通る場所へ行き、ダンカンをリードにつないで車を待つ。車の姿を認めて構えた瞬間に「いけない!」と注意した。すると、車が通っても、ダンカンは顔を背けて「見ないフリ」をするようになった。おやつを前にマテをさせられるルーシーの姿を思い出して笑ってしまった。
 そうなんだよなぁ、本能を利用する以上はコントロールできなきゃいけないんだよなぁ。それは牧羊犬の仕事でも同じなんだなぁ。先日TVで見た災害救助犬世界大会も、実技テストの前に、オビのテストが行われていたっけ。
 人間が犬を利用して何かをするには、コントロールできていないとダメなんだなぁ。
 ちなみに、牧羊犬の子犬選びで、牧羊犬のブリーダーや牧場主が語り継いだ説がある。「良い牧羊犬は、”roof of the mouth”が黒い」というのだ。
この”roof of the mouth”って、どこ(爆)?
 直訳すると「口のてっぺん」。上あごの内側ってことかな?鼻の下?マズルだったら、マズルって言うよねぇ?それにボーダーコリーなら、ルーシーみたいなガングロでもマズルだけは白い子が多いし。
 早速、大笑いしているルーシーの口を覗いたら、なんと上あごの内側は黒かった。しかし、ヤツは羊を前に「私は通りがかりのタヌキです〜、どうぞ、おかまいなく〜」と言っていた根性ナシなんだけど(爆)。
 この説。マチガイかもしれません(笑)