唸る

コメントをいただき、話が少し膨らんできたので、少々整理してさらに考えてみたいと思う。まず「唸る」について。
 まず(あ)は、ルーシーが誰かに対して唸ることを止めようと努めている。理由はいくつかあるけれど「ルーシーが唸ることで、相手を触発しないため」もある。もちろんケンカに発展させないのが一番だ。ただ、それだけではない。ルーシー自身、同じワンコに唸られ吠えられ続けていたところ、そのワンコに対して敵愾心を見せるようになった。また、周囲のワンコで、彼ら自身は元来気の優しい子なのだけれど、特定の犬種に唸られ続けていると、逆にその犬種(唸った子でなくても)を見かけただけで唸ったり、吠えたりするようになった子が複数いる。嫌な思いをさせられた相手の姿だけを覚えていて、全く罪のない同犬種の子に「来るな!」と言うようになった訳だ。その場は問題なく通り過ぎても、ルーシーが唸ったり、吠えたりしたことが記憶に残り、次に、その子達が罪のない他のボーダーコリーに対して唸ったり、吠えたり、攻撃的になるようなことは避けたい。
 苦手な犬種は存在すると思う。ルーシーに関しては、和犬、マルチーズかな?大型犬については、目を合わせないようにして逃げている(笑)。犬種よりも避妊しているかどうかが大きいかも。ルーシーは「繁殖可能なメスが一番エライ」ことを理解していないため、態度がデカイ。どうも未避妊の子には許せない態度らしいのだ(笑)。ワンワン吠えられて、分かっていないルーシーが逆ギレというパターンが一番多い。こちらには、避妊済み・未避妊の区別はつかないから、周囲のワンコについてはそういう子にルーシーを近づけないようにしている。ちなみに、(あ)がボーダーコリーの飼い主さん達にうかがった話では、ボーダーコリーが苦手なのは、圧倒的に和犬が多く、次にテリア系、なぜか少数派でトイプー、大型犬。
 「唸りは噛む前段階」という話が出たけれど、ルーシーを見る限り、必ずしもそうではない気がする。というのも、ルーシーの唸りには種類があるからだ。
 まず「怪しい」と訴えている時。頭を下げて口の中で低く唸る。体はあまり前に出ていない。この段階で、ルーシーの視界をさえぎるようにクルリと回ってアテンションをとるようにすると、かなりの確率で唸りは収まる。それでも相手を見るようなら、顎の下に手を入れてグッと持ち上げて、こちらの目を見せる。低い声で静かに「お知らせしなくて良いから」と言うと、止めることが多い。この段階では噛む前段階というよりも、「怪しい。来るな」と言ってるだけのような気がする。ルーシーに唸られた相手がブルブルと体を震わせる等、カーミングシグナルを出したら、すぐにルーシーの唸りは止まるし、場合によっては、少しずつ近づけて直接挨拶させることも可能だ。
 次に突撃態勢の場合。目をつり上げて、マズルに皺を寄せて歯を剥く。体中を緊張させ、背中の毛は立ち、後ろ足だけで立ち前に出ようとする。この場合は、あらかじめ「言わないよ」と声をかけ、おやつを見せながらアテンションを取り、その場を離れるようにしている。この方法では、近所かそうでないかにより効果が大きく異なる。近所でない場合には、かなりの確率で唸りを止める。一方、近所ではまず効果がない。テリトリー意識や権勢欲から来るものなのかな?ルーシーの場合は、こういう態度をとる相手は、すぐ近所の先輩ワンコが多く、これまでにルーシーに対してワンワン吠えてきた。相手は庭先のフェンスのところでルーシーが来るのを待ちかまえている(つまり番犬のお仕事をしている)。第三次接近(笑)では、ルーシーは先制攻撃をかけようとすることもあるから、かなり注意が必要だ。ルーシーもその家に近づく辺りから、唸りはしないもののスニーク(抜き足、差し足、忍び足)状態(笑)。「言わないよ」と声をかけるのは、スニークが始まる前じゃないと全く効果がない。
 飼い主と飼い犬の関係が、野犬か狼かというところについては、犬の先祖論で意見が分かれている。最近は野犬という説が出てきて、ムツゴロウさんもこっち側みたいだ。ただ、以前見た番組で、屋内でワンコ達が留守番をしているところに宅配業者が玄関先にやって来たところ、一番唸って吠えていたのはリーダー犬だった。仲間の他の犬が吠えたら、そちらを向いて牽制していた。やっぱり、犬の群の中で唸ったり、吠えたりするのが許されるのはリーダーということかな?
 なお、ルーシーに対して吠え続けるご近所の先輩犬は、彼女の家の外でルーシーを見たら、総じて静かだし、弱気な子は少々オドオドした態度だった。唸ったり吠えたりしないものの、相手を見て興奮しているのはルーシーだけで、こちらは大変恥ずかしかった。
 と、唸りについて書いたものの・・・
 私ら全く進歩してないなあ(爆)。