リクエストに応える?

 夕暮れがどんどん早くなってきたので、散歩の時間も前倒し。ただし前倒し過ぎて公園には誰もいないことも多い。ルーシーはディスクをしても直ぐに止めてしまう。地面に伏せてディスクをカミカミしながら「誰か来ないかなぁ〜」と人待ち顔だ。


「ヒマや〜」
と訴えるので、(あ)は声をかけた。
「ルーシー、ワンワワンしておいで。」
 『ワンワワン』というのは、ルーシーが特に目的や理由もないのに一人で走ること。なぜか一人で「ワンワワン、ワンワワン」とかけ声(?)をかけることから、このアホ走りを(あ)は『ワンワワン』と呼んでいる。
 これをするのは、大抵が雨上がりの公園に来たものの、誰も遊び相手がいない時だ。「お友達と遊びたかったのにぃぃ〜!チクショ〜!!」とヤケになって走るのか?
ちなみに、こんな感じです(笑)↓。

 この日は、こちらも仕事で少々疲れていたので
「お母さん、ルーシーの『ワンワワン』が好きだなぁ〜」
「ルーシー、『ワンワワン』してくれないかなぁ〜?」
 と、何気なく言ったところ・・・
 ルーシーは、ムクリと立ち上がり、一瞬、自分の尻尾を噛むようなフリをした後、走りだした。例によって、小さな声で「ワンワワン、ワンワワン」と言いながら走っている。まるで自分に「ワッセ、ワッセ」とかけ声をかけているみたいだ。
おぉぉぉ?!
リクエストに応えてるつもりなのか?!
 驚いて、慌ててカメラを取り出そうとポケットを探ったら、おやつ袋がガサガサと音を立てた。すると、ルーシーは立ち止まってしまった。「おやつですか?」と、走るのを止めてこちらに来てしまった。
・・・しまった!
 昔は、袋のガサガサ音に、これほど敏感に反応しなかったんだけどなぁ。今度リクエストする時は、カメラを出してからにしよう。