芋クッキー命

 この秋、ルーシーの『マイブーム』はマロン芋だった。サツマイモの一種だけど、形態はかなり寸づまり。皮はボルドーではなく灰色で、加熱して中を割ると綺麗な黄色。どうやらアンナ芋(だっけ?)に近い種類らしい。ルーシーは何でも美味しくいただくタイプなのでモニターとしては失格だが、周囲のワンコ達でも、この芋に対する食いつきはすさまじい。中には、手に持った芋を目がけて、こちらの身体をよじ登ろうとする猛者もいたから、よほど美味いのだろう。
 土曜日は焼いたマロン芋をクッキーにすることに。これをお土産に、先生に会いに行こうかなと思っていた。青空ちゃんは、大豆が食べられないのでオカラは使わず、小麦粉だけにして団子にして焼くだけ〜。
 ところが大失敗。糖度が高すぎたのとオーブンの温度設定を間違えて焦げちゃった(涙)。これじゃ、他人様のワンコには与えられそうもない。
 しかたがないので、焦げたところを削ってルーシーに与えることに。でも糖度が高いみたいだから、一度に大量には与えられないけど。

 夜、(あ)がTVを見ていたら、ルーシーはひとしきり身体を撫でてもらった後に「も〜、あきまへん。寝ます〜」とクレートに自分から入っていった。散歩の時間を前倒しにしたから、夕食の時間も早くなり早く眠くなるらしい(9時頃には寝床に入り、朝6時過ぎまで起きてこない。牧場では務まらないだろう)
 リビングのドアを閉めてテレビの音を落とす。「やれやれ、今日も一日ゴクローサン」と自分に声をかける。お茶を入れたら小腹が空いた。ルーシーには食べさせられない真っ黒焦げの芋クッキーを1つ食べる。
すると、背後でゴトッ!ガターン!ガチャ!と音がした。一瞬後に足元から「フンッ、フンッ」という音。
 あ、クレートの扉を閉めるのを忘れてた・・・。
 一旦寝床に入ったルーシーだが、(あ)が何やら食べているのを目ざとく見つけたらしい。次の瞬間には、クレートを思いきり揺らして飛び出し、リビングのドアをこじ開けて、(あ)の足元で「何、食べてんねん?」と鼻を鳴らしていた。眠気はどこかへ飛んでいってしまったらしい。
 しょうがないなぁ(笑)。
 ルーシーが大嫌いな抱っこをして、唸らなかったら、ご褒美としてコゲのないところを与える。ちなみに、こういう時は必死で唸らないようにしている。『ここぞ』という時をわきまえているツモリらしい。「一体どんな顔して耐えてるんだ?」と覗くと、一生懸命、顔を背けて目を合わせないようにしていた(爆)。
 その後は、(あ)から少し離れた場所に陣取って、落ちてくる瞼と戦いながら、(あ)が台所へ行かないか、つまみ食いをしないかと監視していた。
 「ルーシー、もうないよ。寝たら?」と声をかけても、クレートに入ろうとしない。
 30分ほど粘った後、(あ)が本とバスマットを持って洗面所に入るのを見届けてから、ようやくクレートに入った。
 ちなみに、気になる芋クッキーの味は・・・芋味(爆)←大して美味しいとは思えないんだけどなぁ。