ルーシーの屈辱

 月曜日は朝が早い。ゴミ収集日だから(笑)。(た)に無理を言って、出勤前にルーシーの散歩をお願いして、こちらは、その間に台所や玄関、外回りも掃除する。出勤前なので散歩といっても排泄くらいのもの。ルーシーの朝ごはんは他の日よりも早くて、7時半から8時の間くらいかな?
 天気が良ければ、夕方の散歩を前倒しにして1時間半くらい運動させる。ルーシーは早起きすると、夕方の散歩まで玄関先のサークルでゴロゴロしていることが多い。こちらが散歩の用意を始めると「あ、そろそろですか?」と、ようやく起き上がる。
 ところが今日みたいな天気だと、夕方の散歩も排泄だけ。2時頃に家を出ようと思っていたのに、なんやかんやで出遅れた。3時頃になって外を見ると、雨の勢いが強くなっていた。
 玄関先では何やらゴソゴソと身動きする音が聞こえていたけれど、ルーシーは鳴いて催促するワケでもなく。「ふ〜ん、大丈夫なのね」と、しばらく待つことにした。4時近くなって「本犬が大丈夫でも、そろそろ排泄させないと病気になる」と慌てて支度をして玄関先へ行くと、本犬はマットをサークルの端に蹴ちらして、気乗りしない表情で、こちらを見つめていた。
 ふと見ると、ルーシーの側にあるマットが濡れている。ビニールのカバー付きなので中のクッションは濡れることはないが、カバーには、明らかに何やら水をこぼした跡が見受けられた。マットを取り上げて顔に近づけると、何やらNo.1(小さい方)臭い。
 ・・・やられた。
 尿意をもよおしたルーシーは、マットの上にNo.1をした後、証拠隠滅のために舐めとったらしい。
 したいなら「したい」と言ってくれよ〜。
 ルーシーは、自分のテリトリーと思っている場所(自宅の屋内)、特に寝場所で、排泄することが少ない。No.2はできるくせに、頑固に屋内や庭ではしないし、No.1もご褒美ナシではしない。本当に必要な時は、吠えてアピールする。それがルーシーのルールだと思っていた。
 ヤツは、他人に押し付けられたルールはともかく、自分でつくったルールは最大限守ろうとする。必要なところではズボラだけど、不要なところで律儀なのだ。
 今回「証拠を隠滅したら良いもんね〜」と思って犯行に及んだのか(計画的犯行)、とっさの犯行で、慌てて証拠を隠滅したのか。そこは不明だけれど、叱らない代わりに『あること』をしてやった。
 その『あること』とは――。
 昼寝の場所であるサークルの中にトイレシーツを敷いてやったのだ。それも「大丈夫よ〜、お母さん、怒ってないし」と優しい声で言いながら。
 子犬扱いされるのは、ルーシーにとって屈辱らしい(笑)。
 アレルギーの下痢騒ぎの時、ルーシーは、我慢できずにサークルの中で排泄してしまった。その時、サークルの中にトイレシーツを敷きながら「お母さん、怒ってないよ。ごめんね。気がつかないで」と言って聞かせた←本当にそう思ったから、そう言ったんだけど。すると、ルーシーは「お母さんって、嫌なことするのね。それって罰?」という表情を浮かべた。ふと「もしかして子犬扱いされるのが嫌なのかな?」と思った次第。
 証拠隠滅なんて(文字どおり)汚い手を使いやがって。本来は『エリザベスの刑』が妥当なんだけど、ことは排泄に関することだから、飼い主の前で排泄しないなんていうことになっても困る。今回も、ルーシーは上目遣いでこちらを見ていたが、後でシーツに八つ当たりをして、クシャクシャにしていた。
 子犬扱い。そんなに屈辱的なんだろうか(爆)?