水飲み自粛に要注意

海外の犬関連サイトより
 ペットの世話で一番の問題は、ペットは自分が病気の時、自分でそのことを伝えられないことです。しかし慎重に様子を見守ることで、尿路の疾患があるかどうかを気づくことはできます。これらの疾患で最も一般的なものは尿路感染(UTI)と膀胱結石で、両方とも痛みを伴い、治療せずに放置していると重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
 統計では、UTIはネコより犬がかかることが多く、特にメスが診断を受けることが多いです。メスの尿道は短く太いため、バクテリアが膀胱に上がる可能性が高いためです。UTIは、若いネコや中年のネコでも見られますが、高齢のネコでの発生率が一番高いです。
 尿路結石と診断されるのは、中年のペットが一番多いです。オスにもメスにも結石は見られますが、オスの方が問題が重篤になる傾向があります。オスは尿道が長く狭いため、石が尿道にとどまったままで尿の排出を妨げることが多いからです。また多くの場合、尿路結石とUTIの両方を診断されます。
 ご自分の犬やネコがUTIまたは尿路結石である場合、次のような兆候を見せることがあります
• 排尿が辛い、痛みを伴う。排尿が大変そうである
• 血尿
• 尿が臭い
• してはいけない場所に排尿する
• 下腹部を触ると痛がる (膀胱近辺)
• 発熱
• 倦怠感
(中略)
 UTIを引き起こす最大の原因は、大腸菌による感染です。大腸菌は、通常内臓に棲む一般的なバクテリアです。大腸菌(やその他のバクテリア)の抗生物質や抗菌薬に対する抵抗力が強くなることは、獣医にとって、大きな問題になりつつあり、これが犬やネコに対する治療の選択肢を制限することになりかねません。ある大学の研究者達は、犬やネコから採取した大腸菌のサンプル数百例を鑑定して薬に対する抵抗力を調べ、抗菌薬に対して抵抗力のある大腸菌がどれほど蔓延しているかを発表し、またどの特定の薬が効かないかを見極めようとしています。これまでに1,260例のサンプルを検査しています。初期段階の検査では、通常処方される抗生物質に対して抵抗力を有するサンプルの割合は、抗生物質の種類により、0〜62.5%の範囲でした。また、獣医230名に対して調査が行われ、大腸菌感染の患畜について臨床データ(感染歴・処方歴を含む)を収集しました。これらのデータを使って、今後生まれるであろう薬への抵抗力についてデモグラフィーとリスク要因を見極める予定です。この研究に基づき分析結果と結論を出すことで、大腸菌感染の有効な治療に関するガイドラインを改善することができます。
(中略)
 最近完了した研究では、犬のシュウ酸カルシウム結石が取り上げられています。この疾患は、尿中シュウ酸の量が基準値を超える場合に起こります。シュウ酸結石をつくりにくいその他の種は、内臓にシュウ酸を分解する特定のバクテリアを持っているようです。研究チームは、犬の尿路結石との関係を見極めるため、これらのバクテリアを調べました。
 その結果、健康体の犬は、体内にシュウ酸を分解する3種類のバクテリアを多数有していることが判明しました。現在、シュウ酸を分解することができるバクテリアを含み、尿中シュウ酸結石を形成することを防ぐプロバイオティック剤の開発をめざしています。これらの研究結果により、犬を対象として、この種類の尿路結石をコントロールする新しい治療法の開発が見込まれています。

ルーシーも、これからの時期に尿路感染を起こすことが多い。ヤツは朝と夕方の散歩中に排泄するため、散歩の間隔が開くと雑菌が尿路で繁殖し易くなるから。盛夏になれば、水をガブ飲みするけれど、梅雨の時期は、こちらがいくら水をすすめても、本犬が飲まないように自粛してしまう。だから、雑菌が体内にとどまる可能性が増える。

水飲み自粛はルーシーだけの話ではないらしい。特にサービスドッグは、職務についている間は排泄できないため、自然と水を飲むことを我慢してしまうそうだ。このような犬は、排尿の回数が極端に少なく(たとえば1日2回とか)、一回の量が大量だ。個人的には「職務の支障にならない範囲で排泄の回数を増やしてやれば?」と思う。そのためには、水を飲まさないとね。

この記事によれば、尿路感染や結石は、飼い主が気づいてやれるタイプの疾患ということらしい。お互い、頑張りましょう。