ワクチンについて 1

 ワクチンについて悩んでいる。ルーシーは、今年の初めに、それまで何年もの間食べ続けてきたドッグフードが合わなくなって、アレルギー症状(嘔吐+下痢)を起こした。ルーシーの場合、アレルギーは皮膚ではなく消化器系に発症するらしい。療法食に切り替えて約2ヶ月が経過した4月に、狂犬病ワクチンを接種させたところ、また嘔吐+下痢。そして来月は、予定どおりにいけば、混合ワクチンを接種させることになっている。
 狂犬病ワクチンは、予定どおりに接種させた。アレルギーは食べ物と運動量さえ気を付けていれば発症しないと思っていたし。ところが、獣医さんも想定外のアレルギーを発症。フードが原因である場合とワクチンが原因である場合を比べると、ワクチンの方が症状は重く、また時間をおかずに現れた。獣医さんには下痢と嘔吐を止める注射や錠剤を処方していただいたけれど、少なくとも即効ではなかった。結局は、体内の炎症が自然に消えて行くのを待つしかなかった。その間、絶食して体内の食物がなくなった後でも、ルーシーは体をだるそうに横たえていた。(た)は、ワクチンを製造する上で使用する鶏卵がアレルギーを引き起こしたのではないかと考えているが、そこまでは分からない。フードよりもワクチンの方がキツイ。それだけで充分だ。
 来月は、予定通りにいけば混合ワクチン。できたら接種させたいと思う。はじめは「接種前後に絶食させて」と考えていたが、酷暑の時期だけに体への負担は大きいかもと思い直した。そして「時期をずらして涼しくなってから接種させる」とか「二人が家にいて、かつ動物病院が2日連続で開いている時で、午前一番に接種させて様子を見る」とか、いろいろな考えが浮かんでは消える。
 で、今読んでいる本(2011年出版)。ワクチンについて新しい考え方が紹介されていた。アメリカの獣医さんが書いたものだ。


 ワクチンは大きく2種類に分類できる。一方はコア・ワクチン、もう一方はノンコア・ワクチンである。コア・ワクチンは、どの犬についても、その命を脅かす可能性のある大きな病気から守るようにつくられている。具体的には、狂犬病・パルヴォウィルス・パラインフルエンザ・ジステンパー・肝炎のワクチン。どの犬も、子犬の間にコア・ワクチンを接種させ、成犬になったら獣医の指示に従って、これを接種させるべきだ。
 これまで、ワクチンの大半は年一回の健康診断で接種させていた。しかし、最近の研究でワクチン接種のスケジュールについて2つの重要なことが分かった。まず、多くのワクチンが1年以上有効であるということ。次に、不必要なワクチンは、それ自体が健康リスクとなる可能性があり、稀ではあるけれど、まずい反応を見せる。今では、獣医は、パルヴォウィルス・ジステンパー・肝炎のコア・ワクチンについて、3年に1回の接種を指示するようになっている。
 狂犬病ワクチンの接種スケジュールは、少々これとは異なる。政府の判断によるものだからだ。狂犬病は人間に感染し生命を脅かす可能性があることから、犬の狂犬病ワクチン接種が義務付けられている。接種間の期間は、1年から最大で3年までとなっている。獣医から、州や市町村の決定を聞くことができるが、大半の場合、3年周期となっている。

 日本製の狂犬病ワクチンは有効期限が1年なんだろうか?だって3年間有効なら、接種を3年周期にするわなぁだって、3年間有効なら、狂犬病ワクチンを接種させるようにと、なんで動物病院から毎年欠かさず、お知らせが来る?そして毎年、市町村に接種済の登録をする?アレルギーでなくても、ワクチン接種後に疲れて寝こむ子、特にワクチンで体調を崩す高齢犬は多いのだから、3年間有効なら3年周期にして欲しい。
 それとも、人間のインフルエンザみたいに「今年流行しそうな狂犬病の型」を予想してワクチンを作っているから、毎年ワクチンの内容が違うのかな?例えば去年は狂犬病ウィルス「きの1番」に対応するワクチンだったけど、今年は「きの2番」が流行りそうで、これに対応するワクチンを接種することになったとか。たとえ去年のワクチンが1年間以上有効であっても、「きの2番」には効かないとか?
 ルーシーのアレルギーも、「まずい反応」の中に入るんだろうか。それとも「まずい反応」としては軽すぎるか?3年に1回なら体への負担も少なくて済むかもしれない。こちらも無用な心配をしなくて済むし。
 (あ)がそう考えるのには理由がある。
 知り合いの犬がハチ毒のアレルギーで、これまで何回もハチに刺されている。最初は患部が少々腫れるだけだったのが、回数が増えるごとに炎症の範囲が増えて、頭全体が腫れたりするようになった。そして発熱や倦怠、食欲不振などの症状も見られるようになった。抗体の反応が大きくなっているのか?
 動物病院で炎症止めの注射を受けても、なかなか腫れがひかなくなった。アレルギー反応はひどくなるのに、症状を抑える薬が効かなくなってきたとか。アレルギーは、上手くつきあえば問題なく一生を過ごせる。その一方で発症すると扱いが難しく、さらに発症を重ねると問題が大きくなってしまう。
 
<続く>