ワクチンについて 2

<前回の続き>
前回のコア・ワクチンに続き、ノンコア・ワクチンについて書く。またまた、本の抜粋から。

 私が獣医として開業したての30年前は、ロボットのように、どの犬にもワクチンを接種させていた。しかし、今では違う。それぞれの患畜の状態を慎重に見定めて、犬種やライフステージ、ライフスタイルや今後発生するリスクなどを検討して、どのようなワクチン接種を、また、どのような病気の予防措置を勧めるかを決めている。
 ノンコア・ワクチンは、かかりつけの獣医と相談すべき処置である。住んでいる地域やライフスタイルによって違うだろうが、歯周バクテリアからライム病、ジアルジア、ケンネルコフ、インフルエンザまで、犬の健康を脅かす可能性がある特定の問題を扱うものだ。住んでいる地域やライフスタイルで特定の問題が犬の健康に係わり、ワクチン接種が必要となる場合があるだろう。
 ワクチン接種に対するアプローチは絶えず変化しているし、常に議論されている。しかし重要なことは、犬に必要なワクチンだけを接種させること、必要以上に頻繁に接種させないことだ。個々の犬に合ったヘルスケアが必要だ。法定義務である狂犬病のワクチンはさておき、その他のワクチンについて、獣医は自分が必要だと考える措置を飼い主に勧めるけれど、最終的な決定権は飼い主にある。
 コア・ワクチンは、獣医のコードでDHPPという。ジステンパー、肝炎、パルヴォウィルス、パラインフルエンザの頭文字をとったものだ。すべての犬について、狂犬病とDHPPのワクチン接種が必要だ。それ以外はケースバイケースであり、かかりつけの獣医に相談してもらいたい。

 アメリカでは”personalized pet health-care protocol”という考え方が普及して、個々の犬の状況に合わせた総合的な健康管理を行うようになっているらしい。その中にワクチンも含まれるということ。日本ではどうなんだろう?個々のワンちゃんのライフスタイルまで考慮してくれているのだろうか?
 ルーシーの場合、昨年は狂犬病ワクチンと8種混合ワクチンを接種させた。混合にはDHPPが含まれていたと思う(ちゃんと確認してないけど)。特に「コレとコレのワクチンを」とお願いしたことはないし、言われるままに受けさせてきた。
 山や川にも行くし、他の知らないワンコとご一緒させていただくこともある。おまけに住んでいるのは、野生動物がウロウロしている場所。自分の犬に病気を感染させない、また他のワンちゃんに感染を広げない措置としても、ワクチン接種は絶対必要だと思っていたけど、内容までは見ていなかった。
 正直なところ、自分の中に「必要最低限」というアイディアはなかったなぁ。逆に「できれば、たくさん」と思っていた←単に『お得用パック』に弱いだけ(笑)?いずれにしろ、来月までに、もう一回、先生と相談する必要がありそうだ。
 記事に書いた情報は2011年に発行された本のものなので、現段階では最新の情報ではある。しかし、ワクチンに関するアプローチは変化しているそうだから、これから注目していきたいと思う。

ルーシー注意報
ここ数日ルーシー地方でも調子を崩すワンちゃんが続出。「家でお留守番していて吐いた(エアコンなしだったらしい)」「食欲がなくなった」等々。幸い全員が病院にかからずに済んでいるようだけど、明日から猛暑が予想されます。
なお、この本によると(クドイ?)犬の場合も熱中症は『病院にかかるべき緊急事態』だそうです。発見時点での処置としては、お腹に冷たい水をかけること*ですが、氷や氷に近い冷水ではショック症状を引き起こす可能性があるとか。
* 日本の情報では、単に水をかけるだけではなく、風を当てて体温を放出させるとあり、その上でエアコンが役立つということでした。

お互い、厳しい時期ですが、無理をせずに体調維持に勤めましょう!