単純でメンドクサイ

 土曜日は教室。とりあえずマテ3分から。
 ルーシーの前に来ていたジャックラッセルちゃん(♂8ヶ月)は、すでにノーリードの妨害アリでマテができるそうだ。
 ばらすぅ〜い!!
 ルーシーおばちゃんは、6才になってもダメダメなのに。
 今回のマテは、おやつやオモチャの誘惑に耐えるよりも、嫌なことをガマンするマテ。まずマットに伏せさせる。先生におやつを差し出されると、顔を背けて(でも『美味しい口』になってた 笑)ガマンできるけど、どうしてもマットから離れてしまうことがある。それは、

 シンクを叩く大きな音
 上から降ってくる物

 そして一番怖がるのは
 地面に落ちるバインダー

 ルーシーが、教室で大きな音を怖がるようになったのは、ここ半年くらい。今でも自宅では雷が鳴ってもヘソ天で寝ているくらい。自宅や散歩中に怖がるのは、自分の認識外のところから突然大きな音がしたときくらいだ。それも一瞬で「な〜んだ」となるから、純粋に音に対して恐怖を感じているとは思えない。
 ところが、教室ではヒジョ〜に怖がる。
 おそらく教室が密室で、コンクリートの壁で音が反響することが原因ではないかと思う。やたらと教室の隅に行きたがる。
 ついさっきまで先生に飛びついて甘えていたくせに、マテ練習の後では全く近寄ろうとしない。こちらがツイテの指示を出しても、集中はキレギレで、先生の方を警戒してチラチラと盗み見る。目の前にビスケットを出しても釣られない。こちらが先生に応答している間に、そそくさと隅っこへ戻る。
 先生曰く、ルーシーは怖がってはいるけれど、ホンモノの恐怖を味わっている訳ではないという。ホンモノの恐怖を味わうと、犬はハァハァと息が荒くなり、ブルブル震え、失禁したり肛門腺から液が出たりするらしい。
 「音の怖さより、お母さんに叱られる方が怖いと思わせないと」と先生。
 ルーシーは、先生の知り合いのワンちゃんに似ているそうだ。普段の練習で気を抜くこともあり、叱られると「ヤバイ」と感じてシャッキリするらしい。ルーシーも、叱られてシャッキリしてくれると良いんだけどなぁ。
ルーシーの場合は、叱られるとワガママが出る。すっかりスネて「もうヤダ」と駄々をこね、動かなくなる。なだめすかして、なんとか動かし、盛大に褒めた後でも、叱られたことは忘れない。一定の距離を置いたまま、そっぽを向いて、こちらに近づいてこない。 
 ガマンは、とことん嫌いなのだ。
 女王様か、オマエは!?
 「ルーシー、やらなきゃダメ」と少し強めに言ってみる。何回も促された後、露骨にイヤイヤという態度で、ゆっくりと近づいてくる。こちらが自分の前でオスワリをさせようとすると、いつもよりも離れた場所に座る。先生が気になるのかと思い、自分が間に入り、先生に背を向けて座らせようとしてもダメ。首根っこを捕まえて引っ張ると、手を放した途端に慌てて隅に戻る。
 ルーシーは、犬としては単純な性格で、褒められたら木でも登るんじゃないかという感じ。その一方で、叱られたらヘソを曲げる。冗談交じりに「ウチの子は褒められて伸びる子なんです」なんて言ってたけど、嫌な事をされたことを、かなりしつこく覚えていて、なおかつ「継母にイジメられている可哀想な私」を演じるものだからメンドクサイ。私は、オマエみたいな毛むくじゃらを産んだ覚えはないゾ。
 この単純そうでメンドクサイ性格。どうにかならんかなぁ。