混合ワクチンについて 3

長文&乱文におつきあいいただき、ありがとうございます。『混合ワクチンについて』全3回の最終回になりますが、アレルギーに関係ないワンちゃんの飼い主さんも、今回は読んでいただいた方が良いかもしれません(笑)。

 レプトスピラは全部で3つの型があり、そのうち2つの型(カニコーラ・イクテロヘモラジー)をワクチン接種で予防する。この菌には、経口だけでなく接触でも感染することがあり、なお人間も感染する可能性がある。また、ワクチンが対応する2つの型は、犬が感染すると、泌尿器系などにかなり重篤な症状を引き起こす(ちなみに、3つ目の型であるヘブドマディス型は、関東方面で感染症例が見られるそうだが、症例自体があまり多くはないとのこと。比較的症状が軽く投薬治療も可能なのでワクチンには入っていない模様)レプトスピラは、主にネズミなどの動物が媒介する。犬が、感染した動物のふん尿(乾燥していない場合)を踏んでも感染することがあるそうだ。日本では南に行けば行くほど必要だと考えられていて、九州などでは必須とする獣医さんもおられるらしい。

「ルーシー地区は九州じゃないけど野生動物が徘徊しているし、ルーシーも山に遊びに行ったりするから必要ですね」と言うと、N先生は、ルーシー地区でも、これまでに数例の感染症例を扱ったことがあると仰る。

「実は、アライグマも感染を広げていることが分かってきました」

え〜〜!?アライグマ?!


 つい最近、神戸で犬を散歩中の女性がアライグマに襲われたとニュースで報じられていた。あれは都会の住宅地じゃなかったっけ?
「捕獲されたアライグマの多くがレプトスピラに感染していることが分かって、ここら辺では三木あたりまで棲息と感染が確認されています」

↑ごめんなさいね、三木在住のワンコの飼い主さん達。気分を害されませんように。でも注意が必要な病気だし、注意すれば感染は防げるので敢えて書きました。なお、生息頭数からいえば、関西の都市部は格段に多いと報道されています。おのおの方、御油断召さるな!


 我らのライフスタイル、地域によるニーズやウィルスに感染した場合の治療などを考え、ルーシーには、5種混合ワクチンとレプトスピラ病のワクチンを2回に分けて接種させることになったレプトスピラのワクチンが不活性であることは同じだけれど、混合ワクチンの中での接種より単独での接種の方が、アレルギー症状を引き起こし難いだろうとのこと。
 時期については、レプトスピラのワクチンは1年程度しか有効ではないので、先生と相談した結果、9月には接種させなければならないことに。今年は10月まで暑さが続くというから不安がない訳ではないけれど、これが最善の策なんだろうな。以後、2週間以上の期間をあけて5種混合を接種させる。
 ちなみに順番が逆、つまり5種混合の後にレプトスピラを接種させる場合には1ヶ月の期間をあけなければならない。先生は、混合ワクチンが定着するまで1ヶ月かかると仰っていた。暫定的な策ではあるけれど、これで上手くいけば良いなぁと考えている。

ここで確認させていただきますが、これは混合ワクチンの話であって、狂犬病ワクチンとは取り扱いが全く異なります。狂犬病ワクチンは基本的にすべての犬に接種が義務付けられており、ワクチンの材料、製造方法等は政府が指定した仕様に基づき製造されているため、どのメーカーでも同じだそうです(去年は「きの1型」、今年は「きの2型」ということはないそうです 笑)持病などで狂犬病ワクチンが接種できない場合には、かかりつけの獣医さんが証明書を発行して地方自治体に提出することになっています。次回の狂犬病ワクチンについても先生と少し話しましたが、ルーシー程度のアレルギー症状では「接種が不可能」という判断にはならないそうです。接種が不可能という判断は「接種させたら確実に対象犬の生命にかかわる」という場合のみに下されるものであり、ルーシーの場合は、「現在の段階で、そこまでひどい症状ではないし(接種回数が増えて症状が重篤化する可能性はあるけれど)、ステロイドの投与などで症状の予防・緩和を図ることができるだろうから」ということでした。これには少々疑問が残りますが――だって、ワクチンの効果は減退する可能性があるし、ステロイドみたいに強い薬を使う訳だしさ――国のガイドラインによるもので、個々の獣医さんの判断によるものではないから、と自分を納得させようと思っています。

すべてのワンちゃん達が、元気で笑顔でいられますように!