ルーシーと大人の落ち着きと

 (あ)には、ピョコタン発症以来「これは指以外にも問題があるのでは」という疑念があった。その時点で自分の目で分かることは、痛むのは漠然と右の前足ということだけ。指とか肩とかピンポイントで痛む箇所が分かっていた訳ではない。しかし「問題箇所は指以外にもあるので?」はと疑っていた。
 一つは前に書いたとおり。疲れた時に頭の上下動が大きくなってきたこと。散歩後に前足の肘の上部から内側を舐めていたこと。こちらが脇に手を入れて、ルーシーの体を少し持ち上げたら、指を触っていないのに「キャン!」と言ったこと。
 しかし、兆候は、それだけではなかった。
 妙に聞き分けが良くなったことである(爆)。
 指の痛みが去って少しずつ歩く距離を伸ばしていた頃、遊び場を通りかかった。ルーシーが「走らせて」という顔をしたので、こちらが「ダメ。足がまた痛くなるよ」と言うと、「あ、そ」と直ぐにあきらめた。
 また、ある時は、小学生の女の子が「可愛い〜」と言いながら近づいてきた。小学生が大好きなルーシーは、嬉しそうに尻尾を振って自分から近づこうとした。その時、こちらが「飛ばないよ(飛びつかないよ)」と注意したら、ルーシーは、これまた「あ、そ」と近づくのを止めてしまった。こちらは「飛ばないよ」と言っただけだから、ルーシーは撫でてもらっても良かったんだけど。
 これまでのルーシーは、自分が何かをしたいと思っている時に、(あ)にそれを止められると、簡単には引き下がらなかった。しつこく鼻を鳴らして訴えたり、後ろ足で立ち上がって催促したり、最後には自分の尻尾を追いかけてグルグル回ってみたり。我慢をさせた代償として、きっちりフードやおやつを要求してきた。それが「あ、そ」で済むようになった。この期間、ルーシーを良く知るお友達やご近所の方に会うと「落ち着いてきたね」「大人になったね」と言われた。
 ルーシーが「あ、そ」で引き下がるようになった??
 6才にもなってシツケ教室に通い、いろいろ指導を受けてトレーニングをしてきた。子犬の頃から、いろんなトレーナーさんから「ホント頑固だね」「勉強になります」と言われ、頑に主導権を譲ろうとしなかった。『我慢ができない犬』ルーシーが、皮肉なことに、体の故障で― 一時的とはいえ――落ち着いてしまったのである。
 どんなトレーニングよりも、自分の限界を自覚することの方が有効らしい。
 ルーシーらし過ぎるよなぁ(乾笑)。
 でも、ちょっと寂しい気もする。
 ・・・と思っていたら、痛みがなくなるにつれ、大人の落ち着きはどこかへ行ってしまった。
 またムクムクと権勢欲が復活してきたようだ。周囲のワンコ達が春めいてきたことも関係しているだろう。(あ)に叱られると、米つきバッタのように謝る一方で、(た)には強気で抵抗しているようだ。
 少々の痛みがあった方が良い子になれるんじゃないかしら(爆)?
 

ぽん太君のブログで紹介されていたCM↓

そして、おまけ↓