かなわなかった出会いに

 ネット上での出会いというのは不思議なもので、双方向の場合もあるけど、一方通行の場合もある。実際には会ったこともないのに、相手をよく知っている気がする。だから、ご本人やご本犬を目の前にしたら、どんな態度をとれば良いのかと慌ててしまう。
 ブログを読み逃げして「いつか、お目にかかりたいものだ」と思っていて、それが実現した時は、ものすごく照れる。ファン心理の裏返しみたいなものかな(笑)?
 たとえ会えなくても、その方達の日常をネットで垣間見ることもできるから、それはそれで十分満足できる。というより、コミュニケーションが非常に下手な(あ)個人には、その方がありがたい。
そんな(あ)にとって、あるダンスのペアは「いつか、お目にかかりたいものだ」という存在だった。それがお目にかかる前に、ワンちゃんが虹の橋を渡ってしまった。
 考えてみると、過去にはニアミス(?)もあったようだ。
 あるイベントの助っ人に急遽借り出された。実は、この飼い主さんが担当するはずだったけれど、到着が遅れた。到着までの間(あ)がツナギを務めることになった。こちらは全く要領を得ず、ツナギどころか、周囲の方達の足を引っ張りまくっていたと思うが(^^ゞ。
 ほどなく、この飼い主さんが到着され交代することになった。到着直後からテキパキと説明を開始されていた。こちらは極度の緊張から解放されて、ルーシーの側に倒れこんだ記憶がある←大げさと思われるだろうが本当のこと。その後は放心状態になってしまい、自分が場違いな存在であることを再認識して逃げ帰りたい気持ちになった。そんな訳で、この飼い主さんとは挨拶さえできなかった。
 それから何年も経て、ルーシーとダンスを始めた。そんなある日、この飼い主さん達が神戸で行われたダンスのイベントにエントリーされたことを知った。「ついに彼女達のダンスが見られるのだ」とワクワクしたが、体調の関係で欠場された。その時は、残念だけど、またチャンスは巡ってくるだろうと思っていた。

 お目にかかれたら、たくさん教えてもらいたいことがあった。
 ボーダーコリーのこと。ボーダーコリーとの接し方。犬の幸せのこと。ダンスのこと。シニアからの運動や生活のこと。病気のこと。ケアのこと。数えればキリがない。

 そして、亡くなったワンちゃんに会えたなら・・・
 「どうしたら、ルーシーも、貴女みたいに充実した一生を送れますか」と訊いてみたかった。
 「そんなことより、おやつを早く出しなさいよ」と言われそうだけど(笑)。

 人間もそうだけど、ワンちゃん達の場合は、出会えるチャンスがさらに限られる。出会える機会があれば、勇気を出して声をかけてみようと思う。まぁ、全員「挨拶はいいから、おやつを出しなさい」と言うかもしれないけど←初対面の子でも、なんで『美味しいおばさん』だって知ってるんだろ?ワンコのクチコミ情報か?(笑)
 今日は、こっそりと、このワンちゃんの冥福を祈りたいと思う。合掌。