吠えの矯正

 先週から自宅の外装修理が入り、ルーシーが知らない人が家の外をウロウロ。基本的には塗装がメインなので屋内まで入ってこない。だからルーシーも安心して昼寝こいていられた。
 あ、ウソ。1点だけ問題があった。
 業者さんは、始業と終業の際に玄関チャイムを鳴らす。チャイムが鳴ると、ルーシーは吠えてしまう。ご近所迷惑だからと、トラックが到着した時点で(あ)が玄関を出て挨拶するようにした。ところが2日目には、トラックが到着した音を聞いただけで吠えるようになった。
 昔は全然問題なかったのに。自宅に来る人には飛びついて甘えようとはしていたけれど、侵入者というマイナスのイメージはなかったと思う。それが、何をされた訳でもないのに見境なしに吠える。屋外で会えば飛びつき甘えるような人にでも、自宅に近づこうとすると吠える。あらかじめニラミを効かせて「言わないよ」というと、ルーシーは頭を下げて我慢する。ところが(あ)がドアを開けようとする瞬間に吠える。何なのだ?コレは。
 吠えて困る時は、サークルに金網ネットをかぶせると静かになる。騒げば天井が落ちてくる仕掛け。ただ、始終ネットを被せてルーシーに窮屈な思いをさせ続けるのは「逆効果か?」とも思う。
 ルーシーは相手を侵入者と思っている。相手が自分に危害を加えないと判れば吠えることはないかも(飛びつきチューはするだろうけど 笑)。ルーシーに吠えるのを我慢をさせることが、解決へのアプローチとして、正しくて有効なのか?若干疑わしく思えてきた。もし業者さんに少しでも可愛がってもらえたら、ルーシーが吠えることはなくなるかもしれない。
 ただし、業者さんのスタッフに、そんなことをお願いしても良いものだろうか?とりあえず、今回の工事は家の外だけだし、問題は1日の始業と終業の2回だけだし。むむむ〜。
 そんなことをツラツラ考えいた先日の夕方のこと。ルーシーを連れて、そうっとドアを開けたら、ドアを出た瞬間に業者のお兄ちゃんと鉢合わせ。ドアを開ける前に、ルーシーには「言わないよ」と重々念を押したのだが、いきなり相手が現れて、ルーシーは怖かったのか低く唸った。すかさず(あ)が低い声で「ゴラァッ!」と叱ると、お兄さんは逃げるように足場を登った。さすが職人さんは身が軽い←「そこかい!」とツッコんでください
 ルーシーが唸ったことを謝って、足場の上にいるお兄さんに「犬は苦手ですか?」と訊くと「そんなことはないんですけど・・・」と応える。とはいえ、明らかに腰が引けている。どちらが怖かったのかは分からないけどね(笑)。
 ちなみに、彼の師匠である職人さんも、ルーシーに触ろうとはしない。まぁ、こちらが「大丈夫だから」と促したとしても、職人さんにしたら、要らぬトラブルでケガなどしたらつまらない。最初の段階でルーシーを職人さんと「ふれあいのチャンス」を設けて慣れさせるというのは、相手の都合もあるから、ルーシーに吠えさせない対策としては現実的ではないなぁ。
 そして今日―――。
 屋根裏のチェックのため、業者さんがとうとう屋内に入ってきた。職人さんが、必要な道具を持ってルーシーの目の前を移動する。
 職人さんたちには、あらかじめ「犬が吠えますけど無視してください。目を合わせるたり、声をかけたりすると、もっと吠えて、ややこしいので」と断った。
 ところが、ルーシーが吠えると、職人さん達は目を合わせる上に「ハイハイ」「吠えなくていいの」と声をかけるではないか。オイオイ。
 う〜ん、職人さん達に協力を求めること自体がマチガイなんだろうか?
 とりあえず、今日で工事は終了。ルーシーは、へそ天で昼寝ができる以前の平穏な日々に戻る。しかし、吠えの問題は全く手を打てず。良かったのか悪かったのか。なんだか吠えを矯正するチャンスを逸した気がする。