軟骨保護剤 2

著者のホーリスティック獣医さんの言うことがすべて正しいと鵜呑みにはしないけれど、従来の動物医療以外のサイトを見ると、よく名前が登場してますね。そのスジでは有名なのかな?

コンドロイチン
 コンドロイチン・サルフェイトは軟骨内にあるグリコアミノグリカンで、水分を吸収し栄養を蓄え、軟骨に厚みと柔軟性を与える。軟骨細胞を刺激して軟骨、コラーゲン、プロテオグリカンの生成を刺激し、ヒアルロン酸の量を増やす。関節にダメージを与える酵素の働きを抑え、膀胱内のシュウ酸結石のリスクを減らす。2〜6ヶ月またはそれ以上の服用で最大限の効果が得られ、なお、服用を止めても、数カ月は効果が続く。
 コンドロイチンは、体内で作られ、軟骨細胞から分泌されるが、年齢とともにその量が減る傾向にある。コンドロイチンを食事で摂る場合には、動物の軟骨か軟骨から作られたサプリしか方法はない。コンドロイチン・サルフェイトは、大きな分子だが、生体利用効率を考えると、分子重量が軽い高品質なコンドロイチンのサプリが好ましい。
コンドロイチンも安全なサプリではあるが、人間では下痢・便秘・腹部の痛み、稀に頭痛・浮腫・不整脈・抜け毛が報告されている。犬では、30日間の投与後、赤血球数・白血球数・血小板数の減少が報告されているが、このような作用は臨床試験ではよくあることであり、それが重要かどうかも分からない。自分(筆者)は何年もコンドロイチンのサプリを処方しているが、これが悪い影響を与えたケースを見たことはない。しかし、人間の患者は、手術前と後の短期間、また出血のリスクが多い患者に対しては、服用を避けるように勧められることが多い。コンドロイチンと抗凝血剤が構造的に似ているからだ。
 前立腺肥大・前立腺癌・乳癌・メラノーマを患う人間およびペットは、癌が成長し広がる可能性があるため、コンドロイチン・サルフェイトを服用すべきではない。その場合には、グルコサミン・サルフェイトやヒアルロン酸の入った関節用のサプリを使えば良い。
 プラチナ製剤を中心とした化学療法を行いながら、コンドロイチンを一緒に利用すると、化学療法の効果を失わせることなく、化学療法が原因で起こる腎臓の毒素を低減することができるという報告もある。
 コンドロイチンの服用量は、使用する商品による。一般的に勧められる服用量は、体重50ポンド以上(22kg〜)の犬に対して、グルコサミン800mgを毎日1〜2回、小型・中型犬およびネコには200〜400mgを毎日1〜2回となっている。

 次回は、軟骨保護剤の使用について