お友達と砂肝とルーシーと

 先日、まりちゃんと一緒に練習するにあたり、砂肝のおやつを用意した。その理由は、ルーシーが、まりちゃんと一緒に遊ぶのは初めてだったから。
 待ち合わせの場所に向かう間に、(あ)は「ルーシー、今日はお友達と一緒だよ。」「優しくするんだよ」「仲良くしてね」と諭した。こちらが特別なおやつを持参していたせいか、ルーシーは神妙に聞いていた。
 その結果、(あ)の予想に反して、2匹は互いを気にしなかった。もちろん互いの存在には気がついていて、相手が何かに集中しているスキに、オシリのニオイを嗅ぐ。相手が「?」と振り返ると、嗅いだ方は「何もしてませんよ」と素知らぬ顔。ご近所トラブルの回避じゃないけど、平和は、お互いに相手に干渉しないこと、関わらないことが一番なのかもね(爆)。
 まりママさんに、おやつを少し手渡した。(あ)のポーチには、ルーシーの分が充分あるのに、ルーシーの目はママさんの手元に釘付け。オスワリをしながら、ママさんに近づこうとする。
 「ルーシーのはこっちにあるから」と言い聞かせるけれど、ルーシーは、ジリジリと、なおもママさんに近づいていく。元より(あ)は、ルーシーが自分の指示に従わないと、おやつは与えない。ルーシーは、ケチくさい飼い主より、優しいママさんからもらう方が簡単なので、そちらへ行こうとする。
 実際こういう場面で、お友達の飼い主さんはルーシーに分けて下さることが多い。飼い主の間で、おやつの受け渡しをすると、もらった側の飼い主さんは、渡した側の犬から要求されると、素直に与えてしまう。もらった側の人間は、「この子のおやつを奪ってしまった」と考え、若干罪悪感があるらしい。人間の心理だわな。

 すると、足元から、まりちゃんが「ワン!」
「それは私のよ!」ということらしい。
 まりちゃんにしたら、自分のママが一旦手にしたものは自分の物なのだ←それは正しいよ、まりちゃん

 さて、一方のルーシー。
 領海侵犯(笑)を指摘されて、どうするかと思ったら、すごすごと引っ込んだ。
 食べ物絡みで素直に引くとは。
 拍子抜けするくらい、引き際が良いではないか。
 (あ)の説諭が効いたとは思えない。
 自分の強さに自信がなくなったからだろうけど。
 とりあえず自ら引いたルーシーを褒めて、それが正しいことを伝える。

 実質上、初の顔合わせで、お互い緊張していたんだろうな。
 リラックスしてきたら、エゴが出ることもある。
 次回も、その心積もりで練習しよう。

 で、砂肝を使って練習。すぐ側で、まりちゃんが練習していても、ルーシーの集中力は高い。
 それは良いことなんだけど、先走りというか、事あるごとに、おやつを要求する。
 たとえば「ロール→ゴロン」を2回繰り返すのに、1回終了しただけで立ち上がろうとする。「まだよ」と声をかけても無視することも。フロントは後ろ半身が真っ直ぐになっていないのに、鼻を鳴らして地団駄を踏み「ちょうだい」と要求。
 おやつに気が行ってしまって、キッチリ正しく動いたり、正しいポジションをとったりすることが難しい。特に、元来弱いところ、新しく教えたことについては、この傾向が強い。ルーシーの動きが良いだけに、非常にもったいない。
弱く、苦手な部分は継続的な強化が必要で、本犬も、弱点と苦手を自覚している。だから練習にはモチベーションを上げなきゃイカン。ただし上げ過ぎると逆効果。動機があって、それでいて指示に従える『良い塩梅』を見極めるのが難しい。これまでの経験から考えると、『良い塩梅』は、ものすごく狭いマージンなんじゃないかなと思う。
 この日は全体的に動機が高かった。ドッグフードでも踊れただろう。それなのに砂肝を出すのはマチガイだと気づいて、途中からドッグフードに切り替えたところ、途端にテンションが中程度に下がった(笑)。やれやれ。