練習〜本番

 曲のイントロが長くてクドイ(笑)!ルーシーには、できる技が少ないため、遠隔を当て込む。一旦バックに送り、静止技をかませて、そのまま前進。「対角線を移動できたら大きく見えるかなぁ」と捕らぬ狸の皮算用

 1週間半を経過した時点で、先生が
 「本番のステージは(所属団体の)競技会より小さいんじゃなかったでしたっけ?」
 ウッ・・・忘れてた!!

 それまでの練習は競技会のサイズでやっていた。それでもルーシーのスピードによっては、少々イントロが余る。イベントのステージはかなり小さい。ステージ自体が四角ではないし、音響ブースも置かれる。
 2人で他のムーヴを考えたが、ピッタリくるものが浮かばない。それに構成を変えると、全体のバランスも変わってくるし。しょうがないので、当初の構成のまま。
 夏の間、前進を教えるにあたり水飲み用のボウルをターゲットにしていた。はじめはディスクにドッグフードを入れてやっていたんだけど、ルーシーはターゲットをよく見失う。通り越して「アレ?」なんてこともしばしば。一応こちらはルーシーの背後から手で前進の方向を示しているが、ルーシーは見てないんだな、コレが。全く理解できんが、足が向いている方向に進めば良いと思っているらしい(笑)。
 ターゲットをディスクに変えたこともあったけれど、夏草が生い茂るにつれて、ターゲットが見えなくなり、ルーシーは、ますます見失うようになった。水飲み用ボウルは少し高さがあるし、金属製だから光って分かり易いので、こちらを使用して練習。
 さて、本番はどうするかなぁ。
 本番のステージにターゲットを置くのも格好悪いけど、ナシではムリだろう。
 おやつをフロアに直に置いたら探しまわるだろうし。下手すりゃ、マテの指示を無視して食べちゃうかも。
 「不要のCDを置いたら?」と先生が提案してくれた。やってはみたが、芝生ではなくコンクリートの上に置いても、やっぱり見失う。
 ステージの下は水なんだよなぁ。訳も分からず前進して落ちたら目も当てられない。
 この際、ルーシーにとって、はっきりと分かる方が良いよね。やっぱ使い慣れたボウルだろうな。

 で、本番―――。

 案の定、スペースが小さすぎて音楽が余る。進路は若干曲がりながらも、なんとか前進してターゲットを前にオスワリできた。こちらは「か〜、音楽とズレちまったか〜」と心の中で舌打ちしていたけど、なぜか観客から笑い声。「ここは笑うところじゃないんだけどなぁ」と不思議に思いながらも、バックで呼び戻す。スピンとターンが入るはずがアラウンド。

 指示無視かよヽ(`Д´)ノ!!

 なんとか気持ちを立て直して次に進む。エアスティックのスピードOK←どうもルーシーはスティックがあろうが、なかろうが関係ないらしいので、スティックを使わずに同じ事をさせた。目に映っても見えてないって便利なことがあるね(ΦωΦ)
 ウィーブの途中でよそ見(#・∀・)。ちょうちょOK。「次のヒールワークは、大きくしっかりとやで」と意気込む。
 ところが、これが大失敗。完全にパニクってしまった。音響ブースが思ったよりも近くて「まんま」の距離がとれない。慌てて体勢を整えるが、ミスはバレバレ(;_;)。
 あとは、ともかく音楽に合わせること。幸いウィーブから最後までミス無し。

 は〜、終わった_| ̄|○


 後日、動画を見て分かったんだけど、イントロの前進で笑いの神が降臨していたようだ。
 音楽が余って、オスワリの時間が想定よりも長くなったが、そこにいたのは――

 食べ物を目の前に、お預けを食らって、しょっぱい顔の犬(爆)。

 作者にとってボウルはターゲットでしかなかったけれど、ルーシーの「なんとも言えない表情」が可笑しくて、みんな笑っていたらしい。
 ステージには、時に、笑いの神が降臨することもあるのだなぁ。

↑0:44頃に笑いの神が降臨(爆)。