小学生の観察力

 この季節、夕方の散歩でY小の子供達によく出会う。下校時間だからか、みんな開放的な雰囲気だ。ルーシーのことをかわいがってくれる女の子が一人いて、その子のお友達が覚えてくれて、そしてまたお友達がかわいがってくれるようになった。
 こちらは、新しい子が興味を持ってくれる度に「ルーシーは、飛びつきチューの癖がある」ことを一応相手にお知らせしているが、そのお知らせでたじろぐ子は少ない。おかげで、ルーシーはY小の通学路を通るたびに、子供達の顔をいちいち覗き込み「かわいがってくれるの?」と訊くようになった(笑)。
 今日もひとしきり、ルーシーはY小の子供達に甘えた。で、帰宅しようと歩き出したら、我らの背後から一人の女の子が声をかけてきた。
 「すいません、ワンちゃん、さわって良いですか?」
 「良いよ。だけど、飛びつきチューするかもよ」と、一応いつもの注意をしたところ、この女の子は「あ・・・」と少したじろいだ。
 まぁ、それが普通の反応だよね。
 「じゃあ、この子が飛びつかないように、おばちゃんがしっかり持ってようね」と言おうとしたら・・・

 女の子の背後から男の子の声がした。
「大丈夫だよ。その犬はトレーニングされてるから」

 男の子に勇気をもらったのか、女の子はルーシーに近づいて優しく頭を撫でた。ルーシーも、頭を下げて、おとなしく撫でられている。
 お・・・珍しく空気を読みよったんか(爆)?

 こちらが「褒めてくれてありがとね。でもトレーニングなんかしてないよ、遊んでるだけなのよ」と言うと、件の男の子が
 「犬が人の顔を見て歩いてるってことは、トレーニングされてる証拠だよ」

 そして女の子が去った後、ルーシーの前にひざまづくと、男の子らしくワシワシと首筋を撫でてくれた。

 正確にいうと、ルーシーが見てるのは「人の顔」じゃなくて「人のウェストポーチ」なんだけど。
 ・・・というのは、黙っておいた(爆)。

 しかし、小学生の観察力。バカにできません。見られてますぜ、私ら。