バランス

 ふと思い立ち、ルーシーの歩き散歩を一部サイドにしてみることにした。
 「サイド」というのは、ルーシーの場合、人間の体の右側につけることを言う。思えば、歩き散歩もダンスの練習も、ルーシーを自分の左側(「ツイテ」)に置く。現実では、サイドでのムーヴ以外で、ルーシーをこの位置に置くことはない。

 やってみると、めっちゃ気持ち悪い(爆)。
 自分は右利きなんだし、右手首にリードの輪をかけて、手先でポーチからおやつを取り出して、ホイホイと与えるなぞ造作も無いはずだった。実際に同じ事を、利き手ではない左手でやっている。左手以上に上手くできて当たり前ではないか。
 予想以上の違和感。
 最初に頭で「え〜と〜」と考えないといけないのは、単なる老化現象かもしれんけど(爆)。

 ルーシーの子犬時代を思い出した。初めて通った教室で、先生から「犬を左側につけて、左手でいくつかおやつを持って、そのまま弾丸のように与える練習をしてください。」と言われた。リードは、輪の部分を右の手の平または手首にかけて、左手をリードの中程に添えるように推奨されていたと思う。何かがあれば、「左手でリードをたぐり寄せて、『弾丸フード』でトラブルを回避しなさい」ということだった。
 当時は、左手首の返し方をはじめ、手の平からおやつをちょっとずつ出すことまで、難しく感じたものだ。今でも『弾丸』はムリだけど、その代わりに左手だけで無理なくおやつを与えることができるようになった。立ち話になると、ルーシーに無意識に左手でおやつを与えていることがあるくらいだ←やっぱ老化現象かな(笑)

 一瞬でも動作の前に「どうするんだっけ?」と考えることで、多少ギクシャクする。
 しかし、違和感があったのは、ルーシーも同じだった。
 単にリードをつけて歩くだけなのに、犬も人間もヲタヲタ(笑)。
 ルーシーは「サイド」と命じられたら素直に右側につくのだけど、何かの拍子に左側に行こうとする。おやつを見せたらサイドで歩ける。しかし、おやつを食べた途端に「ツイテ」位置に戻ろうとする。意識が無意識に変わる瞬間に、ツイテに戻ろうとするようだ。
 こちらも違和感アリアリでやっとるから余裕が無い。手にはウ○チ袋も持ってるし。ルーシーをイチイチ右側に戻すのがメンドクサイ。サイドの練習は、ダンスでやってるのに、どうして散歩じゃダメなんだ?!リードが着いてるからか?
 ・・・気持ち悪っ!!

 今朝は、散歩ルートの3分の1を「サイド」で歩いてみたが、最後には、こちらがいくら命じても、ルーシーは指示が聞こえないフリをするようになった。

 ちなみに、どうして思い立ったかというと、先日他の飼い主さん達と話していて、左右のバランスの話が出たからだ。
 ルーシーみたいに片側の骨に異常がある場合、そこを傷めないように運動を考えなければならない。それは正しい。しかし、配慮したはずの運動でも同じ事を繰り返しやらせると、使う筋肉は限定されてくる。つまり体の片側の筋肉が発達して、反対側はそのまま とか。ルーシーの場合は、運動のほぼ80%以上が人間の左側だ。使う筋肉が限定されると、左右のバランスが狂って問題が拡散してしまうのかもしれない。バランスのとれた運動をした方が、筋肉全体を鍛えられるのではないかと思い直した次第。まだ仮説の段階だけど。
 結果を検証するのに時間がかかるだろう。しかし、ひとつだけハッキリしたことがある。
 ルーシーも、かなり疲れるということ。
 帰宅して朝食を食べた後は爆睡してたし。

 左を右に替えただけで、ルーシーも頭を使っていたらしいのだ。
 まぁ、自分のボケ防止にもなるしね(笑)。ちょっと続けてみようかな。