アタマが痛い

 もう分らん。どうしたら良いのか、さっぱ分らん。
 ルーシーの調子は日替わりだ。調子が良さそうな時もあれば、しつこく前足を舐める日もある。自分なりにいろいろ試して、ルーシーの様子を観察してきたんだけど。
 調子が良さそうな時は、なるべく通常の距離を歩く。ダンスの練習は、その場のルーシーの様子を見ながら。練習しなくても舐める日も、練習しても舐めない日もある。
 また、足を舐めるというのは――ルーシーだけかもしれないけれど――痛いからだけではなく、退屈のサインでもあるから、さらに、ややこしい。

 獣医さんに、指には治療法がないと言われている。痛み止めを与えれば、痛みは消えるけれど、常用すべきものではない。「何をしたら痛むのかを体で覚えさせないとダメでしょうね」

 ただ、その話をトレーナーさんにすると「ホントに体で覚えられるんでしょうかね?」と懐疑的。
 確かに、これまでのルーシーを見ると、散歩中に調子こいてアホ走りして、帰宅後、足をペロペロというのを繰り返している。体で覚えられるのであれば、いかにルーシーが鈍くても、アホ走りで足が痛むことくらい、すでに分かっても良さそうだ。

 「犬は、今を生きていますからね。あの時アレをしたから、こうなったとか、(頭の中で)結びつけられないんじゃないでしょうか?」
 それも一理あるなぁ。
 「結局、飼い主がコントロールしてやるしかないでしょう」
 トホホ・・・。結局、ふりだしに戻っちゃった。

 「じゃあ、前足の先端に負担をかけることなく踊れるダンスは、果たして存在するんでしょうか?」と訊くと、
 「・・・それは難しいですね」
 どんな動きでも前足を全く使わない訳にはいかない。たとえルーシーが歩いているところに、ストップをかけるだけでも、前足に負担がかかってしまう。痛むのが後ろ足の方が、まだ対処のしようがあったのでは?

 水泳も考えた。気温も上がってきたし。
 だけど、毎日ってワケにいかない。運転やシャンプーのこともあるし。それに最適な場所を見つけるのが難しい。ある程度の深さと距離が必要だ。岩や石がゴロゴロだと、かえって骨折部分を傷めてしまうこともある。水遊びで疲れると、ルーシーは陸を走ろうとするしなぁ。
 どうしたもんかなぁ。頭が痛い。