ルーシー怪談

 個人的には9月に入った感があるんだけど、まだ8月なんだよね(TOT)。気温が猛暑日まで行かないのに、これほど暑さが堪えるのは湿気のせいだろうか。夜明けは遅くなっているのに日暮れは遅い。窓を開け放っても、建物にこもった熱気がなかなか抜けてくれない。
 夜の台所とリビングも暑い。東側にあるのだから、温度が下がってもおかしくないはずなんだけど。電化製品が集中していて放熱するからだろう。
 扇風機を盛大に回す。じっとりと汗をかきながらTVを見る。その傍らで、ルーシーはクマさん相手にコロコロ独り遊び。

 ここ数日、心霊写真モノを見ている。ちょっとでも涼しくなればと思って(笑)。個人的には「きっと、こういう世界ってあるんだろうなぁ」とは思うけど、自分に全く霊感がないので、よく分からない。「『見える人』は大変だろうなぁ」くらいかな。一番バチアタリかもしれん。
 なかなか怖い。背筋が寒くなって暑さも少し和らいだ気がする。
 ・・・と思ったら、風が突然生暖かくなった。

 ふと見ると、扇風機と(あ)の間にルーシーがオスワリをして、ハァハァと息が荒い(笑)。


 「アレ?ルーシー、どうしたん?」と訊くと、こちらの足の間にムリヤリ体を入れようとする。
 せっかく涼しくなったのに、毛むくじゃらの体を押し付けられて大迷惑。
 「ちょっと!どいてよ。暑いよ」と抗議すると、前足で体を撫でろと要求。なんだか怖がっている様子。
 「大丈夫だよ。もっと涼しいところでゴロンしなよ」と言っても足の間から出ようとしない。
 しばらくして心霊写真のコーナーがCMに変わると、窓の側へ行って横になり再びクマさんで遊ぶようになった。
 心霊と同じ(というのか?)人間様の(あ)に霊感がないのだから、ワンコに人間様の心霊が判るはずはないのにさ。
 どうやら、ルーシーはコーナーの効果音(ノコギリを擦るような音とかドーンという低い音)やゲストの叫び声や「怖い!」という叫び声に反応していた模様。理由は簡単なものだった。
 その一方で、ルーシーは、なぜかコーナーの途中で何回も階段の下へ行き、階段の上を見上げていた。その度に「上がったらダメよ。アンヨを痛くするよ」と声をかけて呼び戻していたんだけど。


 ・・・あれは、何だったんだろう。
 

↑「階段の上は、あなたの知らない世界〜」by ルーシー