突然倒れたら・・・

 あ〜、足りない頭を久しぶりにフル回転させたので、夜になって知恵熱が出た(爆)。
 お友達のワンコが検査を受けるため、事前の説明を聞きに行ってきた(我らは、あくまで金魚のフン)。まだ検査自体は先のハナシなので、結果は分からない。要らぬ賑やかし応援隊で、飼い主さんには、かえって気を遣わせて迷惑かけたかもしれん。それでも、個人的にはいろいろと考えさせられたし、非常に勉強になった。ありがとうございました!
 経緯は次のとおり。
 お友達ワンが、2日の午後、突然動けなくなったそうだ。飼い主さんは外出から帰宅して、ぐったりしたワンを発見されたらしい(おそらく外出中に、ワンは発作を起こしたのだろうと思われるが、飼い主さんは見ていない)。夜まで様子を見たものの、ワンの状態は変わらず。その日の夜に救急診療を受けさせた。治療らしいことはしてもらえず、翌日、掛かり付けの病院で血液検査とレントゲン検査をしてもらったが、特に異常が見当たらず。てんかんの薬をもらって帰宅。お友達やトレーナーさんのアドバイスを受けて、さらに別の病院でMRIと脳脊髄液の検査を受けることになった次第。
 (あ)のバイブルの1つである、臼杵先生の著書を紐解く。
 「急に倒れた!」の項を読んで、この飼い主さんの判断はヒジョ〜〜〜に正しかったことに感服した。
 完全に意識を失うものではなく、めまいに近いレベル、もしくはすぐに立ち上がるレベルだと、そのまま様子を見てしまう飼い主がいます。しかしこれは危険です。かならずすぐに最寄りの動物病院にかけつけてください。見ていないところでどれほどの発作があるのかわかりませんし、次の発作が夜中に起きてそのまま死亡する可能性もあります。何ヶ月か経って悪化してからようやく来院しても、たいていの場合、発生頻度の増加、発作の長時間化が起きており、治療も出遅れてしまいます。また、倒れたときの様子をくわしく観察し、メモしておくことも重要です。
 ちなみに、お友達ワンが倒れたのは正月3が日内で、近隣の動物病院は軒並み休業。救急診療が受けられる病院は遠く離れていた。翌日に掛かり付けの病院が開くと分かっていたら、フツーは翌日まで待つけれど、飼い主さんは、その日のうちに車を飛ばして救急病院で受診させた。動物の救急病院は、経験した飼い主さんの多くが仰るとおり「何も(治療は)してくれない」ようだ。それでも、問題が生命に係わる発作であれば再発の危険性もあり、飼い主は苦しむ犬を前に為す術がないだろう。ワンが危険な状態にあるかどうかなぞ、一般の飼い主が――特にパニックになっている状態では―― 一見して判断できることではない。そして、この飼い主さんの判断が正しい理由は、さらに本を読めば判る。
 「突然倒れた!」というケースで来院する事例は、原因を脳か心臓にもつことが多く、特に「てんかん」の発作が大半です。(中略)てんかんが軽度の場合は、数分でなんとなく治まってくるものですが、重度のものは「重積」といって、強力なけいれんが何十分も続き、そのうちみずからの発する熱で加熱死したり、脳に重度の障害を残したりします。とはいえ、いきなり強力なけいれんが発生することはまれで、初期の段階で来院しさえすれば対策できます。(中略)
 自宅で、治まる気配のない本格的なてんかんの発作が起きた場合は、夜でもためらわずに夜間救急病院へ行ってください。体が熱い場合は、脇や内股、お腹などに水をかけて冷却してから出発しましょう。熱射病と同じく、過度の体温上昇は死を招きます
 つまり発作が1回目であれば、できるだけ早く受診させれば再発や症状の重篤化を防げる可能性が高いということ。
 現時点では、お友達ワンの診断は「てんかん」ということになる。しかし、同じような発作を引き起こす原因は他にもある。という訳で、MRI等の詳しい検査を受けさせる決断をされた。脳の内部で何が起きているのかが多少なりとも検査で判れば、的を射た、より有効な治療ができるし、ワンに不必要な負担をかけなくて済む。
 ちなみに--。
 心臓疾患による発作は、重いとほぼ即死しますが、重度でない場合には、おもに運動や興奮が引き金となって低血圧やめまいを起こし、半分失神したように脱力します。すぐに心拍が戻れば数十秒で立ち上がりますが、このようなイヌはもともと心機能が低下していることが多く、さらに運動や興奮が加わって限界を超えて倒れるため、起き上がったあとも弱々しい状態が続きます。ふだんの検診で異常が見られた場合や、少しでも発作らしき様子があった場合には、かかりつけの動物病院でよく調べてください。
 これまでのところ飼い主さんの判断と決断は、驚くほど適切だ。
 お友達ワンの検査は明日行われる予定。
 結果を受けて、治療が良い方向に進むことを心から願っています。