健康診断 2

 犬やネコの老化は腎臓に出る。特に病気でなくても、老化により腎臓が機能しなくなって腎不全を引き起こし、最期を迎えるケースが多いそうだ。
 腎臓は、成犬以降は消耗する一方だと言う。タンパク質を主要な栄養源としているため、腎臓で必要な栄養を血管に戻し、不要な老廃物を排出させる選り分け作業は欠かせない。肝臓は再生する可能性があるが、腎臓にはないそうだ。
 腎臓が機能しなくなると、老廃物が体内に留まり尿毒症などになる。血液検査のBUN(尿素窒素)の値が上がる。また、必要な栄養を血管に戻せない場合は、体内の筋肉を栄養にせざるを得なくなり、Cre(クレアチニン)の値が上がる。→現時点でのルーシーは両方とも正常値。
 腎臓の老化を計る目安として、血液検査・尿検査で腎臓に関連する要素の数値を見ることに加え、超音波検査で腎臓の動きやサイズを確認できるという。「腎臓だから尿検査」と単独の検査で簡単に判断できるものではない。複数の検査を行い、それぞれの結果を照らし合わせて、できるだけ正確に状態を把握できるようになる。
 腎臓のサイズは、消耗に伴い小さくなっていく。小さくなったからといって、必ずしも機能していない訳でもないし、即、腎臓疾患になると結論づけるものでもない。腎臓は2つあるから、片側がダメでも反対側が稼働率を上げることもあるだろう。しかし、ルーシーのように元々タンパクを上手く消化・吸収できない体質では、腎臓の老化は健康な犬よりも問題が大きい。なお、犬種や体格の差、個体差(左右のサイズが違う)等もあるけれど、4.8以上が望ましいとのこと。

 ルーシーの腎臓のサイズ
 2012年12月 左:3.76 右:3.88 (脾臓があったので、縦方向に計測した模様)
 2014年 1月 左:5.07 右:4.20 (脾臓を除去後なので、腹腔内にスペースができて横方向に計測した模様)

 現時点では、血液検査により老廃物の排出には問題がないと判断されたが、追加で尿検査を行い、Alb(アルブミン)が出ていないかを確認するようにと指示された。アルブミンは腎臓が正常に機能していれば体外に排出されない物質だから、尿内にアルブミンがなければ、腎臓が正常に選り分け作業を行っていると考えられる。逆にアルブミンがあれば、定期的に検査をして、老化の度合いを見ながら投薬ということになるそうだ。
 腎臓の老化は治療で止めることはできない。できるのは、投薬によって速度を緩めるくらいとか。
 飼い主としては、ルーシーの食生活を、より腎臓に負担をかけないものにするくらいだろうか。食事はアレルギーの療法食(タンパク質を分解したものがベース)なので、おやつをビスケット等の「タンパク質以外のもの」にする。ジャーキーはNG。
 先生の話を聞きながら、(あ)には「アレルギーもタンパク質の吸収が悪いのも、片側の腎臓が萎縮している(or生まれつき小さい)のも、全てがつながっていたのではないだろうか」という印象を受けた。

白内障については次回>