真夜中の出来事

 このブログを読んでおられる方は、おそらく(あ)は「病んでる」と思われているに違いない。
 まぁ・・・当たらずとも遠からじ・・・かな?

 積もりに積もった憤懣が、ある事件をきっかけに怒りが噴出し、それと同時に自分の体調が狂ってしまい、今でも制御できないでいる。これまでに、頭から湯気が出るほど怒ることはあったが、怒りのせいで動悸や頭痛がしたり、手が震えたり、痺れたりというのは初めてだ。自分で自分の体に恐怖を覚えた。

 事件は先週。平日の午前1時過ぎ。玄関先で寝ていたルーシーが、突然、狂ったように吠え出した。
(あ)は、深夜近くまで仕事をして、ドロのように眠っていた。4時半には起きて、台所仕事とルーシーの散歩をしなければならない。疲れ果てており、起きたくても起き上がれず、寝床から「ルーシー、ノー!」と注意するのが精一杯。
 それでもルーシーは吠え続け、しばらくすると玄関の鍵を開ける音がした。(た)が帰宅したようだ。
 「早く寝てよ。ご近所迷惑なんだから」と声をかけて眠る。依然、ルーシーは吠え続ける。
 すると(た)は、部屋の戸口に立ち、ニヤニヤ笑いながら「ちょっと、Aちゃん。」と言うではないか。
「ルーシーを黙らせて。早く寝て」と声をかける。
 ところが(た)は玄関を指さして「いいから、警察」

 ・・・警察?

「書類にサインしてくれって」
???

「私、こんな格好(寝間着とも言えぬボロ着)だし」

「いいから出て」

 慌てて外に出ると、お巡りさんが2人もいるではないか。「さては、ご近所で事件か?」と思ったら、年配のお巡りさんが済まなそうに切り出した。
「夜分のこんな時間に申し訳ありません。」
「実は、ご主人が酔っ払われて路上で寝ておられまして」・・・はぁ。チラ見すると、背後で(た)はヘラヘラ笑っていた。
「ご主人は、何も悪いことはされてません。ただ寝ておられただけなんですが・・・」
そりゃ、悪いことをしたら、今頃、留置場でしょう。
「警察としては、放置することができませんので・・・」・・・はぁ。
 警察は、以前、真冬に酔っぱらいを見つけたにも関わらず、放置して凍死したことが報道で問題視されていた。以来、警察は酔っぱらいを放置できなくなったらしい。(た)の場合は、パトカーで自宅まで送り届けられた次第。
 よくTV番組『警察2●時』とかで、警察官が酔っぱらいに注意するシーンを目にする。見る度に「お巡りさんも大変ねぇ」「そんな酔っぱらいは、放っておきゃ良いのに。ホント税金の無駄だわ。」と思っていたが、まさか自分のダンナが、番組の登場人物と同じことをして、警察の手を煩わせるとは思ってもみなかった。
 「つきましては、無事送り届けたということで、奥様にはホント申し訳ないんですが、こちらの書類に署名をいただかないと・・・」
 申し訳ないのは、こっちの方だ。頭を何度も下げて謝ると、警察官は「いえいえ、こちらこそスイマセン」と言われた。
警察官の方は、最初から最後まで、驚くほど低姿勢で、完成した書類を手に「それでは失礼します」と帰っていった。

 自分自身は法律を遵守して真面目に生活しているのに、どうして酔っぱらいの身柄引渡書にサインしなきゃいかんのだ?さらに、ルーシーが吠えて、ご近所も叩き起こしてしまっただろう。迷惑極まりない。

 こちらは、それから一睡もできず。ちなみに、酔っぱらいは翌朝8時過ぎまでイビキをかいて寝ていた。
 翌朝、(あ)がルーシーの散歩と家事の大半を終えて仕事に戻った頃、(た)は、ようよう起きてきた。神妙な顔を作って「すいません」と謝ったが、顔を見たら怒りがこみ上げてきた。
 すると、心臓がバクバク言い始め、自分の体調がおかしいことに気がついた。

<続く>