プチ整形 2

 手術予定日の前日に、N先生に電話で相談。患部が予定日を待つうちに非常に小さくなって、このまま放っておいたら自然になくなるかも、と伝える。
 こちらの予想と反して、先生の声のトーンが変わった。
 「一度診せてください。手術をするかどうかは、それからで。」
 最初の診断では、自信を持って「良性の脂肪腫と思われたようだが、大きさが、短期間(2週間程度)にこうも変わるのは、おかしいということは、脂肪腫じゃないのかも?・・・と仰る。じゃあ、何なんだろ?
 「肥満細胞腫の可能性もありますね」
 この肥満細胞腫が「クセモノだ」とBecker先生も言っとったなぁ。良性の場合も、悪性の場合もあるけど、姿形はバラバラ。その上、肥満細胞腫は忍者のように化けるそうだ。姿は良性の脂肪腫なのに、実は悪性の腫瘍だったりするそうで。ますます組織で確認する必要がでてきたワケ。
  診察したN先生。
 「う〜ん、場所が場所ですからねぇ。」
 「検査するにも麻酔はかけますし・・・。取ってしまった方が良いでしょう」
 
 はい、半日入院決定〜(笑)!

 先生がそう仰るのは、あらかじめ想定していたので、2つほどお願いをした。

 1つは、口の端にできた乳頭腫も一緒に切除すること
 もう1つは、体の他の部分に腫瘍らしいものはないかを確認すること

 N先生は、1つ目については快諾してくれたけど、2つ目のお願いには「それは・・・ちょっと難しいですね」「全身となると、全身毛刈りになります。」

 う〜〜ん、夏場はともかく、これから寒くなるって時期に裸はツライなぁ。

 「いやね、周囲のワンちゃんで、同じように全麻で腫瘍やイボを取って、そのすぐ後に別の箇所にできているのが分かって『これも、あの時に一緒に取ってくれたら良かったのに』というケースが多いんですよ」と説明した。
 冗談じゃなくて、ホントにこういうケースは多い。これらの飼い主さん達は口を揃えて「獣医さんは一体何を見てたんだろう」と不満をもらす。飼い主側が「ここにシコリができて・・・」と説明すると、もちろん、そこは見てくれるけれど、他の部分は全く見ていないようなのだ。

 事実として、腫瘍やシコリやデキモノは、高齢になればなるほど、でき易い。そして、高齢で、かつ全麻で手術となれば、患畜の体力が問われるし、リスクも増える。飼い主としては、できるだけ避けたい選択だ。
 一方で、先生の仰ることも理解できる。検査するなら徹底的に、と。確かにそれは理想だけど。全身を徹底的にチェックしようとしたら、全身毛刈りの上で、レントゲンやエコーで体内の臓器まで検査するしかない。そうなると長時間の麻酔になってしまう。今回は、そこまで求めるのは欲張り過ぎか。

 (あ)が悩んでいると、先生が提案してくれた。「分かる範囲で、できやすい箇所は見ておきます。」

 「もし見つかったら、一緒に切除と検査で良いですね?」
  ありがたい!お願いします!

 ダメ元でも、言ってみるもんだね、やっぱ。
 哀れ、ルーシーは大嫌いな病院で、再び恐怖の半日を過ごすことに相成ったワケである。<続く〜> ヒッパリ記録更新中〜(笑)。