二択の犬

 最近、コマンドを出すより、二択の質問をするようにしている。コマンドを出すのは簡単だけど、自分で選ばせてやりたい。そして、上手く誘導して、こちらにとって望ましい選択肢を選択させたい・・・と思って。
 二択といっても、至極簡単なもの。
 たとえば、屋内でNo.1(小)をするか、それとも寝るかとか。
 玩具を持ってくるか、それとも寝るかとか。

 こう書くと、選択肢のひとつが「寝るか」なのが笑えるけど。こちらが選択させたいものの対抗は、ルーシーにとって、つまらない、選びたくないものじゃないとダメだから。
 ホント単純なことだけど、自分で選ぶって、自分の頭で考えることだから。

 年齢を重ねるにつれ、ルーシーは、イチイチこちらの顔色を伺うようになった。
 どうでも良いことまで「良いの?」「どうする?」と訊いてくる。
 それは、ヤツがこちらのコントロール下にあることを示しているんだけど。
 ボーダーコリーとしては、いかがなものかと思い始めた次第。
 ボーダーコリーには、自分で考え、自分で判断する能力があると聞く。

 必要なときにコントロールできることを目標に、ルーシーに接してきた。
 そのツケなのだろうけれど、これでは、ボーダーの能力を封じ込めてしまったのではないか?
 そう考えると、ルーシーが少々不憫になってきた。

 今更遅いとは思うし、不憫な割には、簡単すぎる二択だとは思うけど。
 ま、小さなことからコツコツと。

 こちらが「どうする?」と訊くと、ルーシーは、なんとも複雑な表情を見せる(写真はないけど)
「ん〜」と、ちっこい頭で一生懸命考えている。
 その顔が可笑しくて、可愛くて、今日も二択をさせている。

「やっぱり遊ぼ」by ルーシー