No.1(小)のハナシ

久しぶりに動物病院へ。尿検査と投薬量の調整のため。
腎臓の老化スピードを抑えるために投薬してきたけれど、ここ2ヶ月超の期間は、投薬量を半分に減らしたので、
尿の変化を見て、現在の量で良いかどうかを見極める。
全体的な結果は正常値域内。薬を服用した上での検査だけど。

ルーシー(2015.3.20) 参考値(犬)
比重 1.018 (前回:1.032) 1.015<
ブドウ糖 − −
タンパク − −
ウルビリノーゲン 正常 2>
ビリルビン − 0.5>
pH 6.5 5.5〜8.0
潜血 − −
ケトン − −
亜硝酸塩 − −
タンパク/クレアチニン(P/C) <80 500>
沈渣 異常なし

N先生が以前から注目されていたのは、主にタンパク/クレアチニンの値だった。タンパク/クレアチニンは、腎臓の濾過率を示す。タンパクは、人間の尿検査でも項目に入っているけれど、腎臓に疾患があれば、尿中に大量のタンパクが出る。今回は、特にアルブミンを取り上げて検査してはいないが、上記の数値はアルブミン込みの数値だそうな。なお、クレアチニンが正常値を超えると、腎臓の機能が低下または不全が疑われる。

今回指摘されたのは比重。依然、正常値域内ではあるが、前回よりも低下している。老化により腎臓の機能が低下すると、タンパク/クレアチニンの値が上昇し、一方、比重は低下するそうだ。ルーシーは、前回が1.032で、今回1.018と
低下傾向にある。現段階では大きな問題ではないけれど「次回の検査で注意しましょう」と先生。

恥ずかしながら、比重について、(あ)は、よく理解できずにいた。
例えば、ルーシーは、寒い時期や雨の日などは、摂水量が減る。当然、尿の全体量や回数は減り、色は濃くなる。一方、急に暑くなって水をガブ飲みしたら、尿の全体量や回数が増える。おねしょをしてしまうこともある。尿は薄くなる。当然、比重は低くなるのでは?水の摂取量で、比重は変わるものじゃないの?

人間の検査でも、比重は、あまり耳にしない項目。年間を通じて尿検査を受けている(た)に訊いても「わからない」という。この際だから、ちょっくら調べてみた。

まず、比重というのは水を1として、尿の重さを示すもの。通常は、1.015〜1.040と言われている(海外の獣医さんによるサイトでは、正常値は1.025を超える値となっていたけど)。

尿には、老廃物が含まれていて、その分だけ水よりも比重が重くなる。一番重視されるのは、血中尿素窒素(BUN)。動物が食事に含まれるタンパク質を消化して、エネルギーとして消費すると、窒素を含む尿素化合物ができる。これは身体には不必要なので、腎臓で濾過され、濃縮されて、尿として排出される。腎臓が正常に機能していないと、BUNは血中に蓄積されてしまう。

尿の比重が1.040を超えると、嘔吐や下痢等で、脱水を起こしていると考えられる。逆に比重が、1.015を下回ると、腎不全・尿崩症・低比重尿など、尿を濃縮させる能力(つまり腎機能)が低下する疾患が疑われる。
尿の比重が低い場合は、再検査を行い、これが一時的な所見でないことを確認しなければならない。また、腎臓以外の疾患でも比重が低くなる可能性があることから、比重の検査だけでは、腎臓の疾患だと診断できないという。

さて、(あ)の疑問について。
水分の摂取量が減れば、確かに尿の量も減る。ただし、排出される老廃物の量も減るらしい。つまり、水をガブ飲みして、尿の量が増えたら、その分、老廃物の量も、それなりに増えるものらしい。老廃物は一定量だと思っていたけれど、尿の全体量に合わせて増減するとか。へ〜、知らなんだ。

ちなみに、沈渣。尿サンプルを遠心分離すると、比較的大きな分子が選り分けられる。これを顕微鏡で確認する。沈渣の中に赤血球または白血球がある場合、疾患の原因を特定するのに役立つ。腎臓から剥がれた細胞も、尿の中に含まれることもある。腎臓や疾患の状態を知る手がかりになるらしい。

急性とは異なり、慢性の腎臓疾患は、数週間から数ヶ月にわたり症状が安定していて、変化が見えにくい。機能は、数週間から、数ヶ月、数年にわたり徐々に悪化していくため、飼い主は見逃しがちなのだとか。初期の主な症状としては、喉の渇きと尿の量が、徐々に増えていく(多渇症と多尿症)。夜間に排尿したがる。その他の初期症状としては、体重の減少、体毛の減少、疲労、食べ物の選り好みなどが挙げられるそうだ。

年を重ねれば病院のお世話になる回数は増える。それは、人間もワンコも同じ。
医学知識のないワシらには、ルーシーに、良いウ●チと良いシ●コをさせ続けることが、ヤツの健康のバロメーターなのだと思う日々である。