エンブレム ですから

 最近の問題で、仕事のスケジュールがおかしくなってしまった。まぁ、猛暑の時期は、集中力が低下するし、ミスを起こしやすいから良かったとすべきかもしれん。

 そうそう、エンブレム。
 ロゴと言っちゃいけません。エンブレム。
 オリンピックは、「スポーツと平和の祭典」という高尚な理想を掲げたイベントですから。
 カネのニオイをさせちゃいけません。
 じゃあ、なぜ国際商標登録が必要になる?
 不思議だよなぁ〜(笑)。

 しかし、今回のことで、(あ)にはヒジョ〜に勉強になったなぁ。
 契約の条件なんかで、商標に関する事項が含まれることは多いけれど、商品(例:コンピュータ)のことが第一で、商標(例:りんごのマーク)は、あくまで二次的な取り扱いだった。
 一方、デザインに関する契約では、「白黒犬と落花生達(笑)」のライセンス契約のように、えらく細かい規定があって「ここまで書く?」てのもあるけれど、それは、ハナから商業目的に作られたデザインだから、当然だと理解できる→ちなみに、使用を許諾された場合でも、白黒犬や落花生達は、原作からの複製に限られ、アレンジを加えることは基本的に禁止。色の反転(犬の黒い輪郭線を白にして、白い部分を影にするとか)や上下と左右の反転くらいしか許されない。

 「商標=カネ」が、「スポーツと平和の祭典」と高尚なお題目を掲げたイベントにも該当することが――いや、一般商品のロゴ以上にカネに直結していることが――ここまでクローズアップされたのは、非常に皮肉だ。三流政治家でもなけりゃ「次代のメダリストを目指す子供たちに夢を」なんて、シラッとした顔で言えませんぜ。

「デザインの類似性」は、契約でよく見る表現だけど、具体例を見たのは初めてだ。

 う〜ん、似てるっちゃー似てるけど〜。
 デザインに丸と直線を使えば、何を作っても類似するんじゃない?
 だって、日本の国旗がそうなんだもん。
 そこから64年のエンブレムが作られ、それを元に今回のも作ったんでしょ?
 丸と直線の配置だけの問題で、ベルギーの作品と類似しているっていうことなのかしら?
 じゃあ、ベルギーの作品は、日の丸に類似してるってことにならないのかい?

 音楽の盗作なんてハナシをよく聞くけれど、人間の想像力は限界がある。また、昔みたいに世界人口は少なくないし、文明のレベルに差がない。奥地にいてもネットで情報を得られる世の中なのだから。世界には、自分と同じことを考えている人が必ず1人はいるって。

 創作が、どれだけ大変な作業かは想像できるけど、中には、創作物から生まれる金銭より、イベントを知ってもらうこと、コンセプトを知ってもらうことの方が、重要なケースもあるだろう。

 新しいエンブレムを選ぶにしろ、国際商標登録なんかせずに、無料でバンバン使ってもらったら良いんじゃないの?
 その代わり「バッタ物をつかまされても、購入者の自己責任だからね」って周知しときゃ(笑)。

 高尚なお題目や、耳障りの良い表現や、キレイ事を並べるなら、それらに見合った内容にすべきだと思う。
 オリンピックを食い物にする政治家じゃなくて(62億円は誰に食われたかも不明)、この際、一般市民がNPOを立ち上げて、その人達に任せた方が良いんじゃないだろうか?