歯のクリーニング

 ルーシーの歯は、生まれつきエナメル質が少ないので黄色っぽい。かかりつけの獣医さんから「虫歯になり易いから歯磨きするように」と言われ、毎日1回歯磨きをしている。それでも歯に食べ物の色が移るらしく、だんだん色が茶色っぽくなってきた。
 この獣医さんには「5歳になったらクリーニングした方が良いですね」と言われ、ゲンナリしてしまった。毎日ケアに加えてクリーニングだって。それも麻酔付きである。
 現実的な事を考えると、ルーシーの口の中を見るのは麻酔をかけないとダメだろうなぁと思う。飼い主が歯磨きしても、ルーシーは歯の裏側は磨かしてくれないし、外側でも触って欲しくないところは歯を思いきり食いしばってる。そんなヤツは、覚醒状態でムリヤリ口を開けさせたら、獣医さんに危険が及ぶわなぁ(笑)。
それにしても、麻酔しないといけないのかなぁ。避妊や生命に関わる手術ならともかく、クリーニングごときに?まだ虫歯にもなっていないし、歯肉炎や口臭の問題もない。それなのに、麻酔のリスクを引き受けないといけないのか?なんだか割に合わない気がするなぁ。
 そんな事を考えている時に、サンフランシスコ・クロニクル紙の「獣医に訊く」コーナーに関連情報が載っていた。(あ)と同じような事を考えていた飼い主さんが「麻酔をしない歯のクリーニングについて、メリットとデメリットを教えて下さい」と依頼していたものだ。以下は、獣医さんの回答である。

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 麻酔なしでの歯のクリーニングは、健康面での問題により、また特定の犬種(ブルドッグやパグなど短頭種)や麻酔に対する過敏性(グレイハウンドやアフガンのようなサイトハウンドに起こる可能性がある)ゆえに麻酔に耐えることができない患畜を対象に行われている。
 覚醒状態にある患畜の歯をクリーニングするためには、獣医と患畜の両方に我慢を強いることになり、患畜に麻酔をかけた場合に比べ、処置は完璧とはいえない。覚醒状態にある患畜ではレントゲンを撮らないため、確認されない口腔内の問題もあるだろう。
 しかし、歯がグラグラする、また歯肉ポケットが深い等の問題がなく、患畜が協力的な場合には、ある程度はクリーニングや研磨を施すことができる。麻酔しない状態での歯のクリーニングは、3〜6ヶ月ごとに行うように勧めている。
 獣医以外の人間が歯のクリーニングを行う場合には、問題が存在しても確認できないし、診断されない可能性がある。歯のクリーニングは獣医自身が施すこと、または獣医の監督の下で技術者に実施してもらうことが重要である。
 麻酔なしの歯のクリーニングは、治療のことを考えなければならない。治療対象の問題は、歯肉炎、歯石や口臭があることで明らかになる。これらは獣医学では最も多い診断ケースであり、5歳以上のペットの80%に見られる。
 自分のペットを治療してもらう場合には、治療は医学的にも正確で、問題を取り除くような処置をしてもらいたいと思うはずだ。
 麻酔をかけない歯科治療は、基本的に、歯の目に見える部分の歯垢を削り取るだけであり、歯肉線の下にあるプラークを残し、そこでダメージが起こる可能性があるということが問題である。ペットに麻酔をかけないで、隠れたプラークを取り除くのは不可能である。歯肉線の下にあるプラークを残すと、歯自体はキレイに見えるため、飼い主は問題が進行していることを忘れてしまう。結局、進行してしまった病気を元の状態に戻すことはできなくなり、残された選択肢は、抜糸またはその他の高額な口腔内手術しかなくなる。
 飼い主がペットの麻酔に不安を感じることについては、理解できる。麻酔には、大半の医学的治療と同じようにリスクがつきものだ。治療にあたっては、リスクと治療を行った場合のメリットを秤にかけなければならない。この場合のメリットは、ペットは治療中に痛みを感じることがなく、また病気を取り除くことができるということだ。しかし麻酔のリスクは、術前の慎重な観察でコントロールすることができる。
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2009/11/03/DDRN1A7NQE.DTL

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 うーん、もう一つメリットがあるとすれば、獣医さんがルーシーに噛まれないってことかな(笑)?歯のクリーニングを検討されている飼い主さんがおられたら、参考にして下さい。