癌と闘う食事 3

 少しずつ紹介している矢先に、癌を患ったワンちゃんが一匹虹の橋を渡った。非常に落ち込み、何より飼い主さんは辛い思いをされているだろうに、こんな情報を引き続き掲載しては、さらに辛い思いをされるのではないかと、一旦は中止することにした。
 しかし、先日愛犬を亡くされた別の飼い主さんに「生命はつながっていると思うの。亡くなるのは順番があるんだろうけど、あの子が亡くなって別の子が生まれてくる。やっぱり、つながっていると思うの」と言われて、思い直した。調べた分だけ掲載しようと思います。誰かの役に立ってくれることを願っています。

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(海外のサイトに掲載されていた情報)
 癌を患う犬を対象にH社が販売している製品は、臨床面で効果があることが確認させているが、それはリンパ腫、鼻腔および口腔の癌のみである。また比較的値段が高く、大型犬種となれば、さらにコストがかかる。脂肪を多く含んでいることから、カンヅメのみである。それまでドライフードで育ってきた犬には、食いつきが悪いこともある。最後に、飼い主ができるだけ自然食品を与えたいと考えるなら、この製品は、動物由来成分(人間による消費に適さない動物の遺骸など)から作られており理想的とは言えない。
 幸い、新しい市販のドッグフードの中には、炭水化物を少なく、かつ質のたかいタンパク源を使ったものが多数あり、中には、オメガ3脂肪酸、プロバイオティクス、オーガニックの果物や野菜を含むものも出されている。重要なのは、原材料の説明と成分表を読むことである。穀類ゼロ、または穀類の使用を抑えたもので、かつ原材料がオーガニックであるものを選ぶべきだ。一方Messonier先生は、癌を患う犬に高品質のキャットフードを与えることを推奨している。キャットフードには、ドッグフードよりも脂肪が多く含まれている。
 手作り食は、素晴らしい選択肢であり、それだけを与えても、または市販のドッグフードを補助するように与えても良いだろう。1週間分を作り冷凍保存すれば良い。重要なのは、できる限り質の高い材料を使って、計画的につくることである。ちなみに、リンパ腫を患う犬の飼い主さんは、治療中に、魚油とその他のサプリメントとともに、タンパク質75%(鶏肉、牛肉、七面鳥、羊肉、卵、豆腐)、野菜25%(みじん切り、ササガキ状、または軽く蒸したもの)を与えたが、寛解状態を保つことができたという。
 癌と闘う食事に組み込むべき効果的な野菜には、ケール、ブロッコリ、ニンジン、キャベツおよび生のガーリックが挙げられる。注意:ガーリックは適量を用いること。多すぎる場合には、かえって害になる可能性がある。
 ↑「ガーリック」については、海外の複数のサイトで推奨している一方で、日本では一般的にむしろ「食べさせてはいけないもの」「食べさせないほうがいいもの」とされています。与える前に、獣医さんにご確認ください。
 飼い主の中には、生食を選ぶ人もいるだろう。生の食べ物は、加熱した食べ物よりも、酵素・ビタミン・ミネラルをより多く含む。どのような食事を選ぶにしろ、単糖、有害物質や保存剤の摂取をできる限り抑えて、質の高いタンパク質と脂肪を基本とした食事とすることに専念すべきである。
 治療のどの時点でも、犬が食べるのを止めたり、食べ物をあまりにも選り好みするようになったら、食事については、あまり厳格にしないようにすべきだ。癌を患う犬にとっては、体重の減少や消耗は重大な問題になりかねないため、通常は、栄養の摂取にあまりにも厳しい態度でいるよりは、犬に何かを食べさせ続けることの方が重要である。食事を楽しむことは犬の生活の質において重要な要素であるから、時々「ごちそう」を与える必要があっても、適正な体重を維持できるように、薬やサプリメントを飲めるように、生きることに意欲がもてるようにしてやることを心がけるべきである。